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令和元年6月15日施行の改正消費者契約法について
1 消費者契約法第4条第2項
故意による不利益事実の不告知 →故意又は重過失によるとし、要件を緩和しています。
例えば、隣地にマンションが建つことを知りながら、重過失で告げなかった場合も取消が出来ます。
2 消費者契約法第4条第3項3号~6号
新たに取消し得る不当な勧誘行為が3号~6号として追加されました。
3号 当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、次に掲げる事項に対する願望の
実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的
な根拠がある場合その他正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の
当該消費者契約の目的となるものが、当該願望を実現するために必要である旨告げること。
イ 進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項
ロ 容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項
例えば、就活中の学生の不安を知りつつ、「このままでは一生成功しない、この就職セミナー
を受ける必要がある」と勧誘した場合のように、社会生活上の経験不足を不当に利用して不安
を煽る勧誘行為がある場合です。
4号 当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について
勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱いているものと誤信しているこ
とを知りながら、これに乗じて、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との
関係が破綻することになる旨を告げること。
5号 当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、
生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを
知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由が
ある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難と
なる旨を告げこと。
例えば、加齢で判断力が著しく低下した高齢者の不安を不安を知りつつ、「この食品を買って
食べなければ、今の健康は維持できない」と勧誘した場合のように、加齢等による判断力の低下
を不当に利用した勧誘行為があった場合です。
6号 当該消費者に対して、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による
知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示しそ
の不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避する
ことができる旨を告げること。
7号 当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者
契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部又は一部を実施し、その実施前の原
状の回復を著しく困難にすること。
例えば、注文を受ける前に、さお竹を消費者に必要な寸法に切断して代金を請求する場合。
8号 前号に掲げるもののほか、当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示
をする前に、当該事業者が調査、情報の提供、物品の調達その他の当該消費者契約の締結を
目指した事業活動を実施した場合において、当該事業活動が当該消費者から特別のも求めに
応じたものであったことその他の取引上の社会通念に照らして正当な理由がある場合でないのに、
当該事業活動が当該消費者のために特に実施したものである旨及び当該事業活動の実施に
より生じた損失の補償を請求する旨を告げること。
3 消費者契約法第8条第1項1号~5号の無効要件に
「・・・又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項」が付加されました。
4 消費者契約法第8条の二第1項1号~2号の無効要件に
「・・・又は当該事業者にその解除権の有無を決定する権限を付与する条項」が付加されました。
5 新たに無効な条項を規定する消費者契約法第8条の三が追加されました。
「 事業者に対し、消費者が後見開始、保佐開始ま又は補助開始の審判を受けたことのみを
理由とする解除権を付与する消費者契約(消費者が事業者に対し物品、権利、役務その他
の消費者契約の目的となるものを提供することとされているものを除く。)の条項し、無効とする。」
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