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こうやって過払金を取戻せ!
取引履歴、利息制限法、再計算、グレーゾーン、過払い、返還請求、最高裁判例
平成22年6月18日から改正貸金業法の総量規制が実施されてこれで完全施行となりました。
改正貸金業法(平成18年12月13日成立)は3段階に分けて実施され、グレーゾーン金利は平成22年6月18日以降
の契約から廃止されました。
つまり、消費者金融で利息制限法の上限以上の金利が取れなくなったのです。
総量規制について → 参考
<ニュース>
金融ADRが平成22年10月1日から施行されています。
日本貸金業協会の仲介により和解ができ、費用は廉価です。 詳細 → 金融ADRについて
<グレーゾーン金利とはそもそも何だったのか> バブル崩壊以降、未曾有(みぞう)の低金利時代がいつ終わることなく続いていた一方で消費者金融だけは 平成19年春頃まで年27%前後の高金利を取っていました。 それが始め許されていて何故に今回の法改正で廃止されるに至ったのか。 それを簡単にいえば判例の蓄積の結果なのですが、その判例も中々複雑な経緯を辿っているのです。 以下では廃止されるまでの経緯を整理して見ました。 日本には昔から利息制限法という法律があります。 この法律によると金利の上限を 元本10万円未満 年20% 元本10万円以上100万円未満 年18% 元本100万円以上 年15% と規定しています。 つまり、この上限を超える金利は無効なのです。 ですから、50万円を年27%で 借りたとしても年9%の部分は無効なのであり、本来は支払わなくてもいいはず なのです。 それにも拘らず消費者金融に限って年27%の利息が取れたのは、貸金業規制法という法律があったからなのです。 |
貸金業規制法第43条1項に「みなし弁済」と呼ばれる条項がありました。 つまり、「みなし弁済」の要件を満たした場合には、利息制限法の上限を超える約定金利も例外的に有効になると 規定されていたのです。 「みなし弁済」の要件とは次の5つです。 1 債権者が貸金業登録業者であること 2 契約の際、貸金業規制法17条の要件を充足する書面を交付していること 3 弁済の際、貸金業規制法18条の要件を充足する受取証書を、直ちに交付していること 4 債務者が、約定金利による利息を利息としての認識で支払ったこと 5 債務者が、約定金利による利息を任意に支払ったこと |
さて、この「みなし弁済」は、実際に成立するのでしょうか。 従来から裁判所の判決には上記1から3の要件を厳格に解釈して「みなし弁済」を否認するものが多く見られ ました。 特に平成9年2月22日の東京地裁判決はATM(現金自動預入支払機)を利用しての返済つまり上記4と5に 関する画期的な判決でした。 ATMで返済すると、元本、利息、遅延損害金にそれぞれいくら充当したという受領明細書が発行されます。 しかし、「これでは、事後的に債務者が約定金利による利息の額を知るに過ぎず、債務者が約定金利による利息 としての認識で任意に支払ったとはいえない」と判示したのです。 平成17から平成19年にかけて最高裁でも重要な判決が下されるに至りました。 中でも平成18年1月13日のシティズ事件判決は最も重要で、これにより貸金業法43条のみなし弁済規定は空文化 されたと言われます。 最近の重要な最高裁判決の要旨 これら最高裁判決の影響はまことに大きくもはや「みなし弁済」の主張は通らなくなったとされ、業者が平成19年頃 から約定金利を利息制限法の上限まで引き下げたのはその為なのです。 |
ところで、利息制限法に基づく再計算では上限金利の超過部分を元本に充当させます。 その結果、マイナスに なればそれが過払金です。 途中で完済があっても取引が契約当初から8年〜10年あれば過払金が通常発生します。 過払金は民法第704条の不当利得に該当し、年5%の利息を付して返還されるべきものとされています (最高裁平成19年7月17日判決)。 さて消費者金融の利用者の多くはカードを利用しています(リボルビィング契約)。 借りては返すを何回も繰返して古い取引明細は紛失している人が多いと思います。 しかし、何の心配も要りません。 取引の経過を時系列で記録した資料を取引履歴といいますが、消費者金融 会社に取引履歴(取引経過)の開示を請求出来るからです。 ↓ 判例でも「貸金業者は、金銭消費貸借契約の付随義務として信義則上、保存しいる業務帳簿(保存期間 10年が経過しても保存しているものを含む)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う」と判示しています。 (平成17年7月19日最高裁判決) また、取引履歴の開示義務は、大蔵省銀行局長通達で定めており、これに違反した業者に損害賠償を命じた 判決も出ています。 最新更新日 平成31年8月23日 |
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