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                行政書士田中 明事務所


 
[ コラム ]   
相続の国際化〜在留証明書、サイン証明書がいる場合も〜
                                 参考→ かしこい遺言書を残そう!

 これからは、相続人が外国人であったり、日本国籍はあっても海外在住者というケースが多くなるで
しょう。   外国に出て活躍する日本人、外国人と結婚したり、外国で生れて外国籍を取得する日本
人が増えれば当り前の話です。

  さて、日本に住む両親や祖父がなくなると、当然ですが海外にいる相続人にも相続が発生します。   
その相続人が遠い親戚で、ほとんど面識がない人だったら。  
  銀行口座解約とか相続登記には、在留証明書とかサイン証明が必要です。  手紙を書いてそれを
お願いせねばならなくなります。   もし住所が分らず連絡も取れないとしたら大変なことになってしま
います。

         
在留証明書・サイン証明書について  → 詳細
                           
  遺言公正証書には、そんな悲惨な相続を回避する効用があります。  そんな疎遠な相続人は外して
親密な交際のある親しい親族に遺贈することにするのです。
 でも公証人は、遺言執行のことまで考えて作ってくれる訳ではありません。  遺言者の戸籍謄本や受
遺者の住民票しか見ないのですから、相続人に外国人や在外邦人がいるなんてことは分りません。

 ですから、いざ遺言執行になって見ると、外国にいる相続人の在留証明書が必要だなんてことが起き
てしまいます。  遺言執行者を指定して置けばそれで遺言執行が楽になるなんて程に相続は単純では
ないのです。
                           
  もう少し具体例に則して説明致します。  相続人が誰で何人いるのかも知らないで作ると遺言執行
を結構煩瑣なものにしてしまうことがあります。
  例えば、被相続人が明治生れだとしますと兄弟が沢山いるのが普通です。  被相続人に子も配偶
者もいないとしますと、兄弟姉妹又はその子が相続人になります。
  遺言書で、「マンションを売却した代金を末妹の孫Bさんに遺贈する」となっていたとします。 この場合
の登記は、遺贈登記ではなく相続登記になります。   つまり、相続人全員の名前でまず登記しその後
で売買登記をするのです。  相続登記には、全員の戸籍謄本と住民票が必要になります。
    
  さて、相続人のひとりにDさんという在外邦人がいたとしますと、Dさんの在留証明書が要りますので、
それを依頼する手紙を書かねばなりません。   しかし、Dさんは相続人でありながら、遺留分がなく何
も貰えないのです。   最悪のケースは、Dさんとほとんど音信不通で所も分らない場合です。   
Dさんと連絡が取れても協力はしないと冷たい返事をされることだってあります。

  Dさんの在留証明書が何時まで待っても届かない場合、相続登記が出来ずマンション売却は頓挫し
てしまいます。   これでは、遺言書を作った意味がなくなってしまいます。
  もっとも、Dさんに出した郵便物が尋ね当らずで返還され、他の相続人に聞いても所在が分からない
という場合なら、家庭裁判所に不在者財産管理人選任を申立てることが出来ます。

         
不在者財産管理人選任について →  
                           
  こんな遺言執行者泣かせの遺言書を未然に防ぐには、遺言書原案の段階で、遺言執行が面倒にな
らないか十分検討して見るべきです。  日頃交際のない海外邦人が相続人にいないか調べて見る必
要があります。   いると分ったら、遺言書の文言で「・・・売却代金を遺贈する」をやめて、「マンションを
遺贈する」とすべきです。 

  これが、立つ鳥跡を濁さない遺言書の作り方です。   公証人役場へ行く前にやるべきは、相続人
調査ということになります。  公証人は原案通りに作成するだけで、そこまではやりません。

      ★ 遺言書原案の段階で是非当事務所までご相談下さい
 

            
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