エッセー集
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夏疲れを癒すブドウ
    
 ブドウ科  ブドウ属   学名 Vitis spp   原産地 ペルシャ、カフカス

 真夏が終わって夏の疲れを感じる頃に出回って来て、10月下旬には姿を消してしまう
フルーツに葡萄があります。   昔の葡萄と云えば粒の小さな茶ブドウとか酸味のある
黒ブドウで種が入っていました。  今ではこんなブドウはすっかり店頭で見かけなくなり、
売られているのは巨峰やピオーネといった大粒の高級葡萄ばかりになりました。  
 これがまた昔のブドウとは比べものにならないくらいの美味しさで、一回に6粒も食べれ
ば十分で一粒一粒を味わって食べています。 そして、その度に夏の疲れを癒してくれる
ような幸福感を覚えます。
 さて、葡萄は山に行けばヤマブドウが自生していましたから、日本人は古くから食べてい
たのでしょう。  今食べているヨーロッパ系の葡萄は鎌倉時代初期に甲斐の国勝沼で
栽培されるようになり、明治になるまでこの地域に限定された特産品でした。
 
 巨峰の品種名は石原センテニアルといい昭和17年に開発されました。 この新種の種苗
登録を申請したところ、農林省は脱粒がひどいから栽培価値がないとして却下したという
信じられない話が伝わっています。  巨峰というのは特許庁が許可した商標名です。

 葡萄にはブドウ糖や果糖が多く含まれています。 
これが夏の疲れを癒してくれるのです。 また、視力回復や活性酸素の除去によい
「アントシアニン」が多く含まれています。  最近では、脳の機能を改善する働きのある
ペンタペプチドという物質が含まれているということで葡萄が注目されているのです。




                        2009.11.7