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懐かしい味カタクリ
小さい頃に風邪を引くと、カタクリというトロッとしていて食べると体が温まった食べ物を母
が作ってくれものです。 片栗粉に砂糖と水を混ぜて熱しただけの簡単な食べ物でした。
今でいうインスタント食品ですが、甘くトロッとした食感が嬉しかったものです。
カタクリは風邪の特効薬でもなんでもなく、要するに食欲が落ちている時でも食べやすいと
いうだけなのですが、これで風邪に勝てると思ったものです。
カタクリはユリ科の多年草で、早春に薄紫色の花を付けます。 昔は日本中で咲いていた
カタクリも最近はすっかり珍しい植物になって、生育地で花が咲くとニュースになる程です。
もともとはこの山に生えているカタクリの鱗茎から取れるデンプンから片栗粉を作っていた
のですが、カタクリがほとんど採れないので、今ではジャガイモのデンプンで代用するように
なっています。
片栗粉は水を混ぜると直ぐにも固まります(糊化 こか)。 この糊化するという性質は、デン
プンから来ているもので、障子を張る時に使う糊は今でもデンプンから作った糊です。
さて、とろみを出すには片栗粉と同量の水に溶かして加熱します。 中華料理とかとろみの
ある料理には大抵片栗粉が使われています。 とろみをまぶすとうまみが逃げないという性質
を利用して、竜田揚げその他色々見えないところで片栗粉が使われています。
シチューに使って残ったブロッコリーにツナと片栗粉で炒めるとビールの肴になります。
2009.1.18