エッセー集
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    眼精疲労に効くカシス
     ユキノシタ科スグリ属  学名 Ribes nigrum  英語名 カシスCassis 原産地 北欧

 別名をクロスグリとかクロフサスグリと云います。 北海道の野山では秋になると濃紺色の
実がブドウの房のように生っているのが見られます。 実を食べても酸っぱいだけです。
これまでは洋酒好きの人の間で、クレーム・ド・カシス(リキュール)の原料として知られる程度
でした。 それが最近、このカシスが俄然注目を浴びています。 目の疲労回復に効くカシス
の効用が知られるようになったからです。 カシスと非常に似ているものにブルーベリーがあ
りますが、こちらはツツジ科スノキ属で別種の植物です。 

 さて、カシスにはデルフィニジン-3-ルチノシドというアントシアニンが多く含まれており、これ
に抹消血管の血流を改善する効用(つまり目の筋肉の緊張を緩和する働き)があるのです。
パソコン作業時の仮性近視抑制効果や暗所における暗順応の改善効果が、実験によって
確められています。 実はこ毛様体筋の緊張を緩和する働きのあるデルフィニジン-3-ルチ
ノシドというアントシアニンは、ブルーベリーには含まれていないのです。
 ブルーベリーも目の疲れを取る効用がありますが、これは目の網膜にあるロドプシンという
色素の再合成を早める働きをもつアントシアニンを含んでいるからです。
 このようにカシスとブルーベリーでは、目の疲労を回復させる仕掛けが全く違うのです。
いずれにしても、眼精疲労という近代病の救世主的存在なのがカシスとブルーベリーなの
です。
                                            

                        2008.5.9