トップ> | エッセー集パートT題目 > | 連帯保証人は時効援用で救われる | サイトマップ |
内容証明郵便でブレイク ! 行政書士田中 明事務所
エッセー集 パートT → HPトップ
<悪徳商法に絶対負けない消費者になる方法>
連帯保証人は時効援用で救われる
参考 →こうして時効を援用せよ!
当事務所で最近多い事案は、信用保証協会から請求を受けた連帯保証人からのものです。
大概の事案は、「信用保証協会の代位弁済日から裁判上の請求がないまま5年以上経過している。
連帯保証人として一部弁済をした期間があるが時効援用は出来ますか」というものです。
※ 信用保証協会の代位弁済は、主債務の時効を中断し改めて時効が進行を開始され、
信用保証協会の求償権の消滅時効は、代位弁済日から5年です。
参考 → 昭和42年10月6日最高裁判決
結論を云えば、内容証明郵便で消滅時効の援用をすれば連帯保証債務は消滅します。
連帯保証人が一部弁済をしても時効援用が出来ることの法的根拠については、あまり
知られていないようですので、以下に整理して書きます。
イ まず、連帯保証人の一部弁済の法的意味について
もし債務者が債権者に一部弁済すれば、債権の時効中断が生じ、連帯保証債務の
時効も中断します。
しかし、連帯保証人が一部弁済をしても主債務の時効は中断しません。
その法的根拠は、民法148条が規定する時効中断の相対的効力(当事者及びその
承継人の間にだけ生ずる)にあります。
ロ 次に債権者が債権を時効中断させる為には、主債務者又は連帯保証人に裁判上の
請求その他法的手続きをする必要があります。 内容証明郵便での請求は催告といい
それだけでは時効が中断しません。
主債務者に対して裁判上の請求をすることで連帯保証債務の時効が中断する法的根拠
は、民法第457条第1項です。
また、連帯保証人に裁判上の請求をすることで主債務の時効が中断する法的根拠は、
民法458条(連帯保証の特則)で民法第434条を準用している点にあります。
民法第434条では、連帯債務者の一人に対する請求は他の連帯債務者に対しても効力を
生じると規定されているからです。
↓
連帯保証人に対する催告や連帯保証人による一部弁済には、民法第434条が準用
されないのです。
結局、イとロから、債権者が債務者又は連帯保証人に対して裁判上の請求をしていない
場合は、たとえ連帯保証人が一部弁済をしていても、連帯保証人は主債務の消滅時効を
援用出来るという解釈が成り立つことになるのです。
主債務者と連帯保証人の関係を整理しますと、以下の通りです。
・債権者が主債務者に裁判上の請求 → 連帯保証債務の時効も中断します。
・債権者が連帯保証人に裁判上の請求 → 主債務の時効も中断します。
・主債務者が一部弁済 → 連帯保証債務の時効も中断します。
・連帯保証人が一部弁済 → 主債務の時効は中断しません。
行政書士田中 明事務所