行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第51号
             平成19年8月25日発行 

            今回の目次
        □ 未公開株について
        □ 情義的連帯保証人の保護



   □ 未公開株について

 8月に入りは記録的な猛暑が続いております。暑中お見舞い申し上げます。

 未公開株のトラブルが目立ち始めたのは、ここ3年くらいです。
金融庁も日本証券業協会も「未公開株の購入の勧誘や販売には十分注意して
いただき、・・・」と呼び掛けています。
 
 そももそ、株式の売買が出来るのは、証券業の登録をしている会社に限られます。
そして、未公開株のトラブルというのは、未登録会社から突然電話で勧誘されて
購入して見たら、後で公開予定はなかったなどというケースです。
 業者は証券業法に違反している上、詐欺罪にあたることをしていたのです。
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 さて、未公開株への投資は、ずっと前からありました。
私募株というものです。第三者割当増資ともいいます。
この第三者というのは、知人・友人・取引先などの縁故者で、
発行会社の事情をよく知っている人達です。

 つまり、未公開株というのは、発行会社と関係のあるごく限られた縁故者のみが
取得出来るものだったのです。一般の人が喉から手が出るほどに欲しいと思っても
まず手に入らなかったのです。

 そして、譲渡制限がついていますから、未公開株を取得した人から譲り受けても
名義書換に応じて貰えない恐れがあります。
ですから、未公開株というのは、移動性が著しく低いはずのものなのです。
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 そんな未公開株が業者にどうして流れたのでしょうか・・・・。
ベンチャー企業は銀行からの融資が厳しいので、第三者割当増資により出資者を
募ります。出資者の中には、ファンドつまり有限責任投資事業組合が結構多く見られます。

 彼等はベンチャーを支援して、上場によるキャピタルゲインを狙っているのです。
一般の消費者に売られてトラブルになった未公開株は、
どうもこの有限責任投資事業組合から流れたようです。

 それにしても、なぜ売る必要があったのかと素朴に思います。
中々上場しないのに嫌気をさしたのか、それとも上場要件である個人株主の数を
確保する為だったのか、色々と憶測を呼ぶところです。



   □ 情義的連帯保証人の保護

 未公開株であっても3年後、5年後にちゃんと株式上場を果たせば、
それなりのリターンを期待出来ますから、持っていてよかったということになるでしょう。

 それに比べると、情義的連帯保証人というのは無償の慈善行為ですから、
得るものは何もありません。
 債務者が破産すれば、債権者は連帯保証人に請求して来ます。
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 最近、債務者が破綻状態にあることを連帯保証人が知らないでなった場合、
動機の錯誤により連帯保証契約を無効とした判決が東京高裁であります。

 それまでは、こんな有難い判例はあまりなく、連帯保証人は泣き寝入りするしか
なかったのです。
 しかし、こんな最高裁判例はまだなく、
連帯保証人が保護の薄い存在であることに変わりないのです。
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 私の個人的な意見としては、破綻するような債務者に融資するというのは、
貸し手にも責任があり、回収リスクを情義的連帯保証人に転嫁することは
正義に反すると考えます。

 よって、債務者が破産した場合には、
連帯保証人に解除権を認めるような法改正が必要です。
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 それから、もうひとつ連帯保証人に有利な制度があります。
サービサーです。金融機関は不良債権をサービサーにどんどん売却しています。
売却損は直接償却されますから、節税効果があります。

 サービサーへの売却価格というのが、簿価の3〜5%と言われます。
ですから、連帯保証人はサービサーと交渉次第でかなりの値段で買戻せる
ということです。



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