行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第48号
             平成19年4月17日発行 

            今回の目次
        □ 株券のペーパーレス化とタンス株
        □ 証券保管振替機構(通称ほふり)って何?



   □ 株券のペーパーレス化とタンス株
 
 相続案件を受任して、株券が相続財産にありました。
最近の株券関連情報に触れる機会となりましたので以下に整理致しました。

 新会社法により、定款で株券を発行すると定めた場合以外は、
原則として株券を発行しなくてよくなったことは周知のことです。
また、上場企業については、2009.6以降から株券が廃止されます。

 この動きを株券のペーパーレス化といいます。
さて、自分で保管している株券をタンス株といいます。
相続した株券を自分で保管していれば、これも当然タンス株です。
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 このタンス株は今直ぐにも預入れをする必要があります。
流れとしては、証券会社に持ち込んで特定口座を開設します。
もし相続で取得したのなら信託銀行で名義書換を済ませ、
移動証明を貰います。

 本来、株券の占有者は適法の所持人と推定されます(会社法第131条1項)。
ですから、名義書換をしなくても売却は出来るはずです。
しかし、その場合には譲渡益課税の納税(確定申告)を自分でやらねばなりません。

 もし、取得時期や取得価額が証明出来ない場合には、
売却代金の95%が利益とみなされてしまうおそれがあります。

 ですから、少し面倒でも名義書換をすべきです。
名義書換をした株券と移動証明と特定口座源泉徴収選択届を
証券会社に提出すれば、確定申告も証券会社がやってくれるからです。


 


    □ 証券保管振替機構(通称「ほふり」)って何?

 現在、上場会社の発行済株式総数の約64%は、「ほふり」が保管しています
「ほふり」は、わが国唯一の証券保管振替機関であり、
平成3年10月から事業を開始し、平成14年6月から株式会社となっています。
  
 「ほふり」に預託された株券は、売買の際に株券の受渡しをしないで、
口座間の振替によって決済が行われます。
 つまり、売主の口座には売った株式の抹消と代金の振込みがあり、
買主の口座には買った株式の記載と代金の引落があるという具合です。

 ですから、「ほふり」は株券のペーパーレス化の前段階といえる仕組みです。
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 2009.6以降の株券ペーパーレス化(正式には株式振替制度といいます)では、
「ほふり」から自動的に株式振替制度へ移行しますから、
既に株券を「ほふり」に預託している株主は何もする必要はありません。
 
 では、「ほふり」から株式振替制度に制度転換されると何が変わるのでしょうか。
まず、株式の移転や所有株式数は、振替口座簿の残高記録によって示されます。
発行会社は実質株主について毎月でも確認が出来ます。

 また株式売買の決済機期間も一営業日に短縮されます。
要するに株取引に伴う手続きがかなり迅速化されるということです。



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