行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第45号
             平成18年12月21日発行 


            今回の目次
        □ クレジットの名義貸しと法律関係
        □ 印鑑証明書と有効期限

    □ クレジットの名義貸しの法律関係

 個人の名義貸しは違法ではなく、契約が無効となるわけではありません。
契約上の責任は名義人が負うことになります。
それを分かっての名義貸しなら無効とする理由はないからです。

 しかし、販売店の支払いはこっちでするからという言葉を信じて貸したのに、
クレジット会社から請求されたという場合は、大分事情が異なります。

 このような名義貸しは、資金繰りに困った販売店がクレジット会社から
立替金を不正に引き出す目的で行われるのです。
つまり、売買契約があったかのように見せかけるものです。
これを「空売り」といいます。

 名義貸与人は犠牲者であり、そんなことに利用されているとは知らないとしたら、
やはり救済すべき存在です。

 ということで、判例では売買契約が通謀虚偽表示により無効、
錯誤により無効として、支払い停止の抗弁を認めています。
                  ж

 さて、最近当事務所に相談のあった事案です。
リース会社の者と名乗る人物からリース契約に名義を貸してくれれば、
リース料を支払うといわれ、クレジット契約書にサインしたつもりが
結局消費者金融だったというものです。

 そして、リース料は5ケ月間だけ支払われ、後は梨のつぶてです。
 リース料という利益供与がある点が、従来の名義貸しと違うのです。
これなどは、支払い停止の抗弁が使えません。

 となると、売買契約が無効とされても、ローン債務は残ってしまいます。
現行法では救済が難しいのです。

 どうもこれが新手の手法らしい。アルバイト料とか利益供与を
チラつかせてローンの名義貸しを勧誘するのである。
 これは難問です。
このような犠牲者を救済する法律を早く整備してもらいたいものです。


    □ 印鑑証明書と有効期限

  銀行に提出する印鑑証明書というのは、
発行から3ケ月以内の印鑑証明書となっています。
しかし、3ケ月以内というのは銀行が決めただけであり、
印鑑証明書の有効期限がそうだということではありません。

 現に、法務局では遺産分割協議書添付の印鑑証明書については、
20年前の印鑑証明書でも受付けます。
結局、法律で印鑑証明書の有効期限が定められている訳ではなく、
印鑑証明書の提出先が決めているに過ぎません。

 そもそも、印鑑証明書というのは印影が実印であることを公的機関が証明するものです。
20年前であろうと30年前であろうと、印影の立証は出来るのですから、
有効期限という発想は不要のはずなのです。

 では、銀行がなぜ3ケ月以内の印鑑証明書を要求しているのか・・・・。
銀行とては直近の住所を知りたいのである。移転しているならば、新住所の記載された
印鑑証明書がほしいのである。これで本人の確認をしているのです。
と、私は勝手に想像している。

 遺産分割協議書で銀行口座を解約する際、印鑑証明書を添付します。
相続人が多くてしかも遠方に散らばっている場合、印鑑証明書の収集が
中々大変です。中になかなか押印しない相続人がいたりすると、
3ケ月という期間が直ぐに迫って来ます。

 銀行口座解約という手続きには、そんな時間との闘いがあるのです。



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