行政書士もぐもぐ......自分流情報発信 第36号
平成17年12月10日発行
今回の目次
□ マンスリー・クリアの思わぬ落し穴
□ 悪用されるリース契約
□ マンスリー・クリアの思わぬ落し穴
クレジットカードで商品を購入し支払いを1回払いとする場合を、
マンスリー・クリアといいます。
今日は、このマンスリー・クリアに、大変なリスクがあるという話です。
1回払いというのは実質的に現金払いと同じですが、
ただ支払いが1ケ月程度猶予され、現金を財布から出して払わなくていいなどの
利便性がある為、利用する人は結構多いと思います。
一方クレジット会社は、加盟店から1回払いでも手数料が取れますし、
加盟店の方でもカードによる販促効果が期待出来ます。
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しかし、エステとか英会話教師派遣とか、契約が継続的役務の提供であったら、
加盟店が倒産した場合、マンスリー・クリアの場合大変なことになります。
残りの役務が受けられないのに、残りの分の代金の返還請求は難しいからです。
というのは、マンスリー・クリアに割賦販売法の適用がなく、
従って伝家の宝刀支払停止の抗弁も使えないのです。
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これは余りに消費者には酷という気がします。
もっとも経済産業省でもその認識はあるのか、
商品の引渡し前とか役務の開始前なら支払いの請求は止めるように、
クレジット会社に行政指導はしていると言いますが、
それに従うかは業者の判断に任されていて、結局、法的な強制力はないのです。
現状がこうであるとすれば、消費者としてはどう対応するのがいいのか・・・。
私見になりますが、役務の継続的な提供を目的としている契約では、
マンスリークリアにすべきではないのだと考えます。
10回とか20回にすれば、クレジット手数料が加算されますが、
いざ加盟店が倒産という場合には、支払停止の抗弁が使えるのですから、
そのリスクを担保出来るわけです。
保険料だと思って払うのもひとつの考え方かと思うのです。
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そのような予防策は横に置くとしまして、
マンスリークリアの場合であっても、信義則の適用はあります。
クレジット会社には、加盟店を管理する責任があります。
赤字が長く続いているとか、倒産の兆候をクレジット会社が察知したら、
加盟店契約を一時ストップするのが本来の筋ではないのか・・・・・。
加盟店の破綻を知りながら、マンスリークリアの客に黙って一括請求して来たとしたら、
やはり信義則から見て、どうもおかしいと感じるのは私だけでしょうか・・・・。
現行法では既払い代金の返還を求めることは、極めて難しいことです。
であるとすれば、継続的役務提供のクレジットでは最低でも12回払い以上とするとか、
クレジット会社に残存役務分の返還義務を認めるとかの法改正は、
やはり必要ではと思うのですが。
□ 悪用されるリース契約
電話回線の変更工事などでリース契約を締結してしまって、
後で要らなかったと気付いても中途解約が出来ません。
それを悪用して、モデムやIP電話など売りつける業者が増えています。
一般的には、ADSLとかISDNとか光ファイバーとか、IP電話とかの違い、
あるいは電話回線の変更工事の必要性といったことは、
情報としてはそれほど正確に知れ渡ってはいません。
一般の人で、業者から説明をくどくど聞かされて、
正しいことを言っているかの判断を自分で出来る人はそう多くないはずです。
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何も今直ぐ回線工事とかIP電話を導入する必要性は現実にないのですが、
業者のトークが巧みなのでついつい今導入しないと時代に遅れてしまうと、
錯覚してしまうらしいのです。
しかし、後で回線に詳しい人に聞いて、電話代の削減にならないとか、
今は要らないものだったと分るのです。
リース契約の怖さは、リース会社の確認の電話があった後では、
中途解約が出来ないということです。
被害に遭っているのは、零細の個人事業者です。
高齢者であったり、電話回線の知識がほとんどなく、
セールスの話をそのまま信じてしまうような人達です。
クレジット契約であれば、非商人の契約だと主張して、
クーリング・オフや支払停止の抗弁がまだ出来る余地があります。
しかし、一旦リース契約が成立してしまった後では、
もはや消費者を救済する術がないのです。
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日本弁護士連合会では、商行為への支払停止の抗弁の適用、
指定商品制の撤廃、支払停止の抗弁による既払い代金の返還などを
提言をしています。
しかし、リース契約に関しては、まだそのような提言が聞かれません。
悪徳な業者は、法律の隙間を狙って零細事業者をターゲットにして来ています。
実態としては、情報量の点でも一般の消費者と大差のないこれら零細事業者が、
全く法律の保護が受けられないというのも、おかしな話ではありませんか・・・・・。
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