行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第33号
             平成17年8月31日発行 

            今回の目次
        □ かしこい遺言書とは・・・・
        □ 太平洋を挟んで



    □ かしこい遺言書とは・・・

 公正証書遺言を作る理由のひとつは、
スピーディな遺言執行の実現です。

 法定相続人が何人もいたら、
遺産分割協議で全員の印鑑を揃うまでが大変な手間です。
公正証書遺言で遺言執行者が指定してあれば、
銀行口座解約がまずスピードアップします。
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 もっともまだ全員の印鑑を要求して来る銀行があると聞きますが、
郵便局ならば遺言執行者の印鑑のみでOKですし、
都市銀行でも遺言執行者だけで解約に応じる銀行が出て来ています。

 ですから、ものの本には触れてありませんが、
口座解約の速やかな執行こそ公正証書遺言の隠れた効用なのです。
 ということで私は口座解約のスピードアップを、
公正証書遺言の売りにしています。
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 そして、公証人役場に行く前に是非行政書士に相談して欲しいのです。
なぜかというと、公証人は公正証書遺言を作る人ではありますが、
遺言執行の現場には関心がないし、法定相続人の調査もしません。

 従って、いざ蓋を開けて見ると、
法定相続人や受遺者が外国人や海外在留者だったり、
「マンションの売却代金を誰々に遺贈する」などという登記実務を複雑にする
だけの文言を平気で使っていたりします。
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 これでは昔の代書人と何ら変わりません。
いやそれよりもっと酷いと思います。
 公正証書遺言をただ作っただけであり、
口座解約や登記申請に必要な書類が揃えられるのか、
これはやって見ないと分らないのです。

 やはり原案を作る段階で、法定相続人を調べて、
遺言執行が容易に出来るか十分検討して遺言者にアドバイスし、
最終的な原案を仕上げるというのが筋であり、
私がやろうとしているのもこれなのです。


   □ 太平洋を挟んで

 3月に受任した遺言執行が大詰めです。
東京三菱銀行の口座解約は、4ケ月目にやっと実現しました。
11名の法定相続人の戸籍謄本等と遺言執行者2人の印鑑で応じてくれました。

 さて、残るはマンションの売却・・・・・。
これが中々厄介なのです。
お願いしてから3ケ月が経つというのに、
まだアメリカ在留のAさんから在留証明書が届いていません。
丁寧に状況をご説明した手紙をEMSで送っても梨のつぶてです。

 マンション売却代金の受遺者は、アメリカ人のBさんです。
 このBさんに振込み先の口座を聞いても中々連絡して来ません。
放棄するにもやっぱり書類が要ります。
こんなに面倒なことになったのも、全てが公正証書遺言の文言のせいです。
まことに公証人に一度は執行をやらせて見たいと思いたくなる代物です。
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 ここまで来るともう法律云々ではありません。
Bさんは同封してあった100ドルでは不満だと、
某法定相続人に漏らしているらしい。

 ついに腹を決めました。
Aさんからお金をBさんに渡して貰うしかないと・・・・。
 これで動かなかったら、マンションの売却は凍結となり、
法定相続人は意味のない固定資産税や管理費を負担することになります。
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 渡すお金は50万でも100万でも安いものです。
なんだか裏取引みたいな、金で買うみたいな感じですが、
これはけっして違法でも何でもない。

 一種の示談みないなものです。
そしてこれで動けば多くの関係者には感謝されるのです。
もっとも他の法定相続人には秘密にしなければなりませんが。

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