インターネット行政書士のフロンティア戦略 第 178号   
                令和5年5月25日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                  今回の目次
             □
 「結晶性知能」について


 
加齢と共に人の体力は衰えて来ますし、脳細胞の数も減少する一方と考えられ
ていました。

  しかし、90年代後半には、人の海馬で神経発生(新たな神経の形成)が確認され、
新しい脳細胞を形成出来る部位があることが分かりました。


  また、人の知能も、加齢に伴い段々低下していくものばかりとは限らず、加齢に
比例して段々発達し、70歳頃にピークに達すると以後もそれほど衰えない知能が
あることが分かっています。

 そのような知能を「結晶性知能」と云い、加齢に伴い経験や教育や学習によ
り発
達していく知能です。


  具体的には語彙力(言葉の数など)、判断力、問題解決能力、理解力、批判能力、
創造力、社会適応力などで、人生経験により得た知恵が脳に蓄積され、生活習
慣や訓練により維持されていく知能
です。


  これに対し、加齢により低下していく知能を「流動性知能」と云います。

  これは、直観力、法則を発見する能力、暗記力、図形処理能力、処理のスピード
など、要するに、新しい環境に適用する為の能力(新しい情報の獲得、処理、
操作
の能力)のことで、この能力は10歳代後半~20歳代前半にピークを迎え、
以後低下していく能力です。

  なお、推理力、判断力、発想力、記憶力などは、「結晶性知能」と「流動性知能」
の何れにも含まれるとされます。


  さて、人は60歳位になると人の名前が中々思い出せなかったり、漢字を書こう
とすると正しく書けなかったりして辞書を引くことが多くなります。

  これが、流動性知能の低下によるものです。  しかし、その一方で、語彙力や
文章作成能力や社会適用力は若い頃より数段高まっていますから、流動性知能
の衰えをカバーしてくれ、日常生活での支障を来すことは殆どありません。

 
  ところで、70歳台になっても結晶性知能を維持して若々しい高齢者がいる一方、
認知症になる高齢者は増加傾向にあります。

  認知症か否かは、「メタ認知力」(自分にとって分かっているか分かっていないか
を認知出来る能力)の低下があるかないかで判定出来ます。

  例えば、バラを見せられて、バラと分かっていない自分が分からないまま、頭に
浮かんだ全く別の花の名前をためらいもなく答えたりするのが認知症の人であり、
「分かりません」と答える人は認知症ではないということになります。


 認知症の初期に現れる不眠やうつ、或いは認知症の発症そのものの予防に、
結晶性知能を高く維持することが求められています。

 それには、「経験への開放性」を高く保つことです。
つまり、新しい経験に挑戦し、好奇心を旺盛にしてさまざまな新しい情報や考え
方を取り入れてみることによってそれは可能になるとされています。


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