行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  創刊号
                           平成15年5月23日発行 

          今回の目次
        □創刊号の発刊にあたり
        □戸籍制度について



    □ 創刊号の発刊にあたり

  いよいよ創刊号の発刊です。とても緊張してます。
  読者登録は、5月18日現在で145名だそうです。天にも昇りそうな気持ち・・・・・
 そんな大げさな表現をしたくなる程に、とても嬉しいです。
  登録をしていただいた方には、心からお礼申し上げます。

  さあこれから、どんどん情報のエキスを自分流に整理して、
 自分の言葉で発信して行きます。
  コーヒーブレイクの時に、気楽にお読み戴けるような癒し系の平易な文章に
 近づくよう精一杯努めますので、
  末永くお付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。



   □ 戸籍制度について

  前回は、除籍簿や巻物家系図のことを述べました。
  今回は、戸籍制度について少し書きます。
  なぜかといいいますと、家系図との関連で、どうしても戸籍制度のことが
 避けて通れないからです。

  検索エンジンgoogleで調べていて、びっくりしました。
 普段は深く考えることもない、眠っているようこの制度にも、歴史的変遷が
 ありました。
  そして、最も驚いたことには、何と戸籍制度廃止論まで唱えている人が
 いるではありませんか・・・・・。

  どうもこの極端な主張は、ウーマンリブ系の女性達辺りから出て
 いるようです。
  要するに、現在の戸籍制度は、古い「家」制度のなごりであり、
 男女平等に反するというわけです。
  
  確かに女性は、結婚すると姓を普通夫の姓に変え、離婚した場合には、
 親の戸籍に戻るか、又は姓を変えないで新戸籍を作ることになります。
  男性の場合、結婚すると親の戸籍から出て新戸籍を作るところまでは、
 女性と同じです。
  しかし、結婚しても姓は普通変わりませんし、離婚しても
 戸籍の移動はありません。

 そおいう面で見ると、女性の方が少し不平等かなとも思えます。
  夫婦別姓なら選択的に認めてもいいのでは、とは私も思います。
     ※夫婦別姓に関する資料は→こちらをクリック
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  でも、戸籍制度廃止論までいくとなると、ちょっと極論の感です。
 まず、仮に戸籍制度を廃止したとして、相続の時、どうやって自分が
 相続人であることを証明するのでしょう。
  また、自分が日本国籍を有することをどうやって証明するのでしょう。
 「出生時に父又は母が日本人であること」が日本国籍取得の要件ですが、
 それは、戸籍謄本を提出すれば一発で証明できることです。
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  「家」制度の名ごりといっても、戦後と戦前で戸籍制度は大きく異なります。
 戦前の戸籍制度は、戸主が中心で、しかも長男が原則として家督相続を
 しました。妻や兄弟姉妹には、相続権がありませんでした。

  戸主がなくなると、長男が戸主となり、「家」の財産すべてを相続して、
 「家」そのものを承継したのです。
  これが、戦前まであった「家」制度の実態です。
            
  今は、これと随分違うではありませんか・・・・・・。
  現在は、こんな「家」制度も家督相続も廃止されています。
 戸籍簿でも、「三代戸籍の禁止」といって、親と子の二代に限って記載
 されることになりました。
  さらに妻には、二分の一という法定相続権が与えられています。
  また年金制度という面で見ても、たとえば夫が加入期間10年足らずで死亡したと
 しても、25年加入した場合と同額の遺族厚生年金が、妻に生涯支給されます。
  
  戸籍の編成上の不平等・不便さが少しあるとしても、妻の地位は戦後、
 これだけ向上しているのです。
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  ウーマンリブ系の人は、戸籍の「筆頭者」というのが、戦前の「戸主」の
 なごりだなどといいます。
  しかしこれは、多分に感情論的です。

  戦前の「戸主」には、家族を統制し、維持する重い責任がありました。
 しかし、今の戸籍の「筆頭者」というのは、単なる戸籍のインデックス(見出し)として
 の役割しか持ちません。本籍というのも、やはり同じくインデックスです。
  つまり、本籍と筆頭者があるから、無数の戸籍の中から特定の戸籍を一発で
 探し出せるのだというだけの話なのです。

  ですから、私は戸籍廃止論というのも、そのまま受取れないのです。

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  さて、これらの議論と家系図との関係です。
  家系図は、「家」の系統を上へ上へと追っていくものです。
  「家」制度がなくなった今でも、家系図を作ることの意味は些かも失って
 いないと、私は考えます。

  そもそも次元の違う話です。
  家系図というのは、日本人の自然な心情の問題だからです。

  家の先祖を慕う感情、なくなったご先祖様が子孫を見守っているという昔から
 ある信仰・・・・・こおいった尊い感情を持つことは、今も全く自由です。
  いや、こおいった感情を抱くのが日本人ならむしろ自然なのです。
 昔の「家」制度が廃止されたからといって、
 多くの日本人がこの感情を失ったわけではありません。

  自分とは一体何者なのか、つまりアイデンティティ(心の拠り所)を先祖に求める
 感情は、制度を超越した人間の根源的感情だからでしょう。
  
  ところで、今ほど、家庭が問題になっている時代はないでしょう。
 家庭内暴力、少年犯罪、幼児虐待といった家庭の問題は、
 なぜ近年多いのだろうか・・・・・・。
  一昔前までは、父親不在が叫ばれていました。
  今は、これと比較出来ないほどに問題が深刻です。

  ひとつに、自分達を見守ってくれているというご先祖様を敬う自然で素朴な
 信仰心が薄れたからではないか・・・・・・。
  昔、父親に権威があった頃、父親はそのことを子や孫に教えたのです。
 そおいう父親が今いなくなったのではないか・・・・。
  結局、家族的一体感とか先祖信仰から来る自然なアイデンティティ感とか、
 そおいった心の支えとなるものの欠如ではないか・・・・・。
  これは、私見です。
                        
  そして、家系図は、そのような日本のよき信仰を子孫に伝える格好の手段に
 なり得ると私は、確信しています。
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  話が長くなりました。
  次回は、原戸籍や戸籍の歴史について書こうと思ってます。


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