インターネット行政書士のフロンティア戦略  第86号   
                 平成23年3月17日発行 
    民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                   今回の目次
          □ 弁護士法72条に係る最高裁の初判決



   □ 弁護士法72条に係る最高裁の初判決    → 全文

  弁護士法第72条の「法律事件」の解釈を巡っては、事件性必要説と事件性不要説が
あり、通説或いは法務省、総務省、検察庁の実務が事件性必要説に立っているのに対
して、日弁連だけが未だに事件性不要説に立っています。
  日弁連の立場が事件性不要説の為に、地方の弁護士会などは行政書士が依頼者の
夫の不倫相手に慰謝料請求の内容証明郵便を送付したというだけで告発騒ぎを起したり
しています。

  その一方で、事件性不要説では弁護士が何でも一人やらねばならず法律事務所の
生産性を著しく阻害しているという指摘が弁護士からされたりしています。

  弁護士法第72条に関する最高裁がまだなく、弁護士法第73条に関する最高裁判決
(平成14年1月22日)
から最高裁の判断を推測するしかありませんでした。
 しかし、ついに最高裁は事件性必要説に親和性のある判決を出すに至りました。
比較研究の意味からまず弁護士法第73条に関する最高裁判決から載せます

最高裁平成14年1月22日判決
<争点>  ゴルフ会員権仲介業者・販売業者が業として預託金据え置き期間
    経過後のゴルフ会員権を買取り、預託金返還請求の訴訟を提起したのは、
    弁護士法73条に違反するか。   
    弁護士法第73条の趣旨 →弁護士でない者が業として他人の権利を買受て
                      実行するのを禁止。

<判決要旨>  みだりに争いを誘発・助長する恐れがなく、社会的経済的
  に正当な業務の範囲内にあると認められる場合であれば、弁護士73条
  に違反せず
、上記行為は許される。         → 判決の詳細


最高裁平成22年7月20日判決
<争点>  ビルを解体するため全賃借人の立ち退きの実現を図る業務を一括し
     て受託することは弁護士法72条に違反するか。
<判決要旨>  このような業務は賃貸借契約期間中で、現にそれぞれの業務
  を行っており、立ち退く意向を有していなかった賃借人に対し、専ら賃貸人の
  都合で同契約の合意解除と明渡しの実現を図るべく交渉するというものであ
  って、
立ち退き合意の成否、立ち退きの時期、立ち退き料の額をめぐって
  の交渉に
おいて解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ
  不可避である案件
に係るものであったことは明らかであり、弁護士法72条
  にいう「その他一般の法律事件」に関するものであったというべきである。

       
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