インターネット行政書士のフロンティア戦略  第74号   
                 平成21年12月18日発行 
    民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                今回の目次
          □ 地価とは何か
           ☆ 戦後の経済成長と地価政策
           ☆ 土地神話の崩壊



    □ 地価とは何か

       ☆ 戦後の経済成長と地価政策
 1990年( 平成2年 )にバブルが崩壊して株式と不動産の下落が始まりました。
1990年以前までは、地価が下がるなどということを考える日本人などまずおりません
でした。

「土地は必ず上がる」。 
これが日本人の共通認識でしたし、実際に戦後は毎年上昇を続けていたのです。
                         
 戦後の日本の経済成長は、地価の恒常的な上昇と相関関係にありました。
企業の資金調達の方法は土地を担保にした間接金融(銀行融資)が中心でしたから、
地価の上昇( 土地の担保価値の上昇 )に伴い銀行融資も拡大して行きました。

 企業は銀行からの潤沢な資金を設備投資に回して利益を増大させ、
企業が右肩上がりで成長して行くと従業員の給与も年々アップして消費の
拡大をもたらしました。 

 こうして、GDPは飛躍的に増大して世界第二位の経済大国にまでなったのです。
                         
 地価上昇の乗数効果としてGDPが上昇していくとはいえ、異常な地価高騰は
国民経済を混乱させます。 

 そこで、地価を緩やかな上昇に安定させることが国の政策になります。
国は地価高騰がある度に法改正や新法を制定して地価のコントロールに出て
来ることになります。

 昭和35年 (1960年 )には6大都市の住宅地・商業地が60%も上昇すると、
1963年に「不動産の鑑定評価に関する法律」が出来、
1969年には地価公示法が制定されています。

1970年代の地価高騰の時は1974年に国土利用計画法が出来ました。

1980年代のバブル景気の時、特に1987年には東京圏の住宅地が68.8%、
商業地が61.1%も急騰しましたが、
1987年( 昭和62年 )に国土利用計画法を改正し
監視区域制度( 100ヘーホーメートル以上の届出制 )を創設しました。

そして、1989年( 平成元年 )には土地基本法が出来ています。
                        

       ☆ 土地神話の崩壊
 地価をコントロールし得たのは、1985年頃まででした。

1985年9月のG5蔵相会議で為替市場協調介入( プラザ合意 )が決まると、
日本の経済政策は内需拡大の為の金融緩和・低金利・黒字減らしの
方向にシフトします。

 ここから土地バブルが始まるのです。 
1987年にはリゾート法が施行されており、低金利で余った資金が
土地投機に向ったのです。  
同年には東京圏の住宅地で68.8%、商業地で61.1%も急騰しました。

 しかし、1987年の後半から監視区域制度で急激なブレーキが掛かります。
1989年後半からの大蔵省銀行局長通達による総量規制で土地投機への
流れが抑え込まれます。

こうして1990年にハブル景気は崩壊して地価の下落が始まるのです。
                        
 住宅地の地価は18年連続して下がり続けており
、ピーク時 (1988年、昭和63年 )に比べて40%程度下落しています。  

商業地も平成19年と平成18年のミニバブルを除いて毎年下っており、
ピーク時より70%程度下落しています。

 少子化と低い経済成長率の下で、地価を上昇させる要因は殆どないと
極論する人もいます。

バブの崩壊と共に「土地は必ず上がる」という土地神話は、
「夢のまた夢」の話になったのです。
                      


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