行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第62号
             平成20年11月6日発行 

            今回の目次
        □ 楽曲と著作権
        □ 小室哲哉氏と音楽著作権



    □ 楽曲と著作権

 楽曲を作ると作曲者に著作権が発生します。  素人が家庭内でその曲を歌ったり弾いたり
しても問題ありませんが、プロの歌手や演奏家が営利目的でその曲を歌ったり弾いたりする
場合には、作曲家の承諾が必要になります。


   □ 小室哲哉氏と音楽著作権

 今年は波乱の年です。  リーマンブラザーズという老舗の投資銀行が破綻して
金融危機が地球を覆い始めた矢先、今度は小室哲哉の詐欺容疑事件です。
これほどの天才的音楽家がなぜまたこんなことに・・・・・。 
これが多くの人の偽らざる感想のはずです。 

 音楽著作権というものが絡んでいる為、余計この事件を分からなくしています。
そこで、まず作曲家とはどうやって稼いでいるのかを整理して見ます。
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 曲を作曲する度に作曲家に著作権が発生します。 
作曲家が著作権で効率的に稼ぐには、通常音楽出版社に著作権を譲渡し、
レコード会社や放送局に曲の売込みをして貰います。

 曲がCDになったり放送で使用されたりすることで、初めて使用料という報酬が発生し
ます。 さらには、二次使用により、つまりカラオケ店、演奏会、音楽教室その他あらゆる
ところでその曲が使用される度に使用料が発生します。  だから、曲がヒットすれば
使用料が鰻上りに上がっていきます。
       
 しかし、作曲家に使用料が入って来るまでの経路がまた煩雑です。 曲の管理、徴収、
使用料の分配という煩瑣な仕事を集中的にやってくれる人が必要になります。 
それがジャスラックなのですが、音楽出版社はジャスラックと著作権信託契約を結んで
その仕事を委託しています。

 使用許諾の窓口もジャスラックになりますから、曲を使用する者にとても大変利便性が
あります。 
見事な分業といいますか、このような仕組みを経て作曲家にお金が回ってくるのです。
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 さて、小室哲哉氏の音楽著作権もまず音楽出版社に譲渡され、管理はジャスラックに
委託されていた筈です。

 二重譲渡が問題になっていますが、二重譲渡が全部違法というのではありません。
民法第177条では不動産の二重譲渡に関し登記を対抗要件としています。
 つまり、登記を先に備えた買主が所有者になるとされます。

 小室氏は著作権使用料が年2億くらいあったと云います。 著作権使用料の受領権の
譲渡ならば何ら問題ないはずです。  詐欺容疑とされたからには、そうではなくて
譲渡出来ない著作権と知りながらそれを黙して譲渡すると云って金銭を詐取したと
見なされたからなのでしょう。



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