行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第61号
             平成20年11月5日発行 

            今回の目次
        □ 適合性の原則って何?
        □ 金融商品販売法の改正点



    □ 適合性の原則って何?

  アメリカ発のサブプライムローン問題が、世界中を100年に一度あるかないかの金融
危機に陥れています。 日本が一番被害の少なかったからといって喜んではいられません。 
グローバル化した経済の下、日本にもジワジワと影響が出始めています。

 ところで、日本で金融商品を横断的に対象とする金融商品取引法とが施行されたのは、
平成19年9月30日のことです。

 この法律は従来の証券取引法を改正したものですが、同法の適用外にあった外為
証拠金取引やファンドなどを対象に取り込み、金融先物とか抵当証券などそれぞれの
業法で規制されていた金融商品についてもこの法律に一本化されました。

 穿った見方をすれば、日本が金融後進国だったことが幸いして最小限の被害で
済んだのです。

 今回の金融危機は、サブプライムローンを混ぜ込んでリスク分散を図った証券化商品
に原因があります。   しかし、 ピンチはチャンスなりと云うではないですか。 
改善すべきところは改善して、より安全な金融商品に進化させて行けばいいのです。

 結局、貯蓄から投資へという流れは変わらないでしょう。
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 さて、前置きが長くなりました。
適合性の原則というのは、金融業者が一般投資家に金融商品を販売する際の
説明義務に関する規制の一つです。

 尤も従来の証取法でもこの原則は取り入れられています。 
同法第43条では「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる
勧誘・・・・」を行わないよう業務を営まなければならないとされています。

 金商法では第40条にそのまま移行されていますが、証取法と違う点は、財産の状況
の後に「金融商品取引契約を締結する目的」が追加されていることです。

 これは、顧客の投資目的に適合した金融商品の勧誘を行えということですから、
例えば元本保証の安全な金融商品を希望している顧客に対してファンドなどの
ハイリスクな金融商品を勧誘すれば違法になるということです。
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  最近、インターネットから金融商品取引の為の口座開設を申込むと、
必ず顧客の状況についてアンケート方式で尋ねて来ます。 そして、試しに投資目的
を元本保証タイプにしてFXを希望したりすると、断わって来たりします。 
 現場では、このように適合性の原則を口座開設という初期段階からこの原則を適用
してコンプラスアンスの強化を図っているようです。



    □ 金融商品販売法の改正点

  金融商品取引法が金融商品の基本法とすれば、
平成13年4月から施行されている金融商品販売法は、
金融業者の説明義務と損害賠償責任を具体的に規定した法律です。

 さて、金商法の施行に伴い、金販法も当然改正されました。
従来、説明義務のある重要事項として「元本欠損が生じる恐れ」が規定されていましたが、
そこに「元本欠損や当初元本を上回る損失が生じる恐れを生じさせる取引の仕込み
の内
の重要な部分」が追加されました。

 これからは単に元本割れのリスクがあるという説明では足りず、どのような仕組みの為
元本割れのリスクが生じるのかを説明する必要があります。
そして、その説明は適合性の原則により顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品
の購入目的に照らして顧客が理解出来る方法及び内容が伴っていなければなりません。
           


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