インターネット行政書士のフロンティア戦略 第 192号   
                令和7年7月26日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                   今回の目次
             □ 
ノンバンクに未来はあるのか

 
  1回払いのクレジットカード決済が7割という時代にクレジットカード会社
の未来はあるのかと考えてしまいます。

  かって、クレジットカード会社の収益源は、加盟店手数料と個別クレジ
ット契約の利息収入の二本建てでした。

  一方、販売店が加盟店になるメリットは、売上代金のキャッシュによる
迅速な支払いにありました。

  加盟店の店舗で商品がクレジットカード決済で売れると、支払回数に
関係なくクレジットカード会社から月末締で1ヶ月後に、売上代金から加
盟店手数料を控除した金額がキャッシュで振込まれるのです。


  クレジットカード会社はクレジット取引の取扱高を前年度の2倍強にす
る高成長を続け、全国に営業網を張り巡らし、東証1部に上場する会社
が出て来るのも70年代の終り頃です。
 
  70年代~90年代は高度経済成長期であり、サラリーマンの給与が年
々上がる一方、カラーテレビ、エアコン、小型乗用車などの価格が一般
サラリーマンに手の届くところまで下がって来たのです。


 
  当時はまだ1回払いのクレジットカード決済などを利用する人は僅か
で、割賦方式の個別クレジット契約が全盛でした。

  20回~30回の分割返済であれば、年20%位の利息が発生するので、
クレジットカード会社には加盟店手数料の他に相当な利息収入があっ
たのです。


  そんなクレジットカード会社の全盛期は、過去の語り草となりました。


  今やクレジットカード決済(購入から2ヶ月以内の1回払い、ボーナス1
回払いを含む、いわゆるマンスリークリア方式))が7割の時代であり、も
はや個別クレジット契約による利息収入など期待出来なくなっています。



  
  今、大手銀行の傘下に入ったクレジットカード会社のメイン業務となり
つつあるのが、保証業務です。


  銀行カードローン契約書では、カード会員はクレジットカード会社に
保証契約を委託することに同意しています。

  この結果、銀行はクレジットカード会社と保証契約を締結して、ローン
債権全額を担保しているのです。

  なお、保証契約は書面でしなければ効力を生じません(民法446条2項、 
平成16年(2004年)の民法改正により新設)。






 
  元々、銀行は保証会社を子会社として持っており、回収困難となった
融資は保証会社に代位弁済を請求して全額回収していました。


  預金者の預金を保全する為、銀行は焦げ付いた融資でも難なく全額
回収出来るフレームを昔から構築していたのです。

  カード会員の保証人をクレジットカード会社にすることで、銀行が昔
から持っていたフレームの中にノンバンクも取り込んだのです。


  クレジットカード会社は銀行以外の金融機関とも保証契約を締結して
おり、これを融資保証(ノンバンクの保証付融資)と呼びます。

  
  ノンバンクの保証付融資では、金融機関は延滞した債権の督促・回
収業務をノンバンクに委託出来る他、回収が困難になった債権につい
ては代位弁済により全額回収出来るのです。
  
  ノンバンクが代位弁済すれば、回収困難な債権は銀行その他金融
機関からノンバンクに移ります。
  
  ノンバンクは、金融機関が不良債権と諦めた債権の束の中にやや
希望の持てる債権を嗅ぎ分けると、訴訟も利用して回収して行くのです。



  また、大銀行の連結子会社になった消費者金融会社も、銀行その他
金融機関と保証契約を結び、銀行以外の金融機関から督促・回収業務
を依頼されています。

  不良債権の束の中にどれ程の宝の山が眠っているのかは、一概に
云えませんが、もし宝を発見すればそれは全額ノンバンクのものとなり
ます。

  保証業務というこれまで注目されなかった業務が、ノンバンクの中心
的業務の一つになろうとしています。




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