インターネット行政書士のフロンティア戦略  第 166号   
                      令和3年12月1日発行 
           
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                         今回の目次
                   □
赤字国債発行の意味について



  日本で30年間デフレ下にあり、GDPが増えていない唯一の先進国です。
この間、日銀は金融緩和策によりに日銀当座の準備預金を増やして銀行融資を低金利
に導きインフレを誘導しようとして来ましたが、一般企業の銀行借入れが一向に増えず
需要は喚起されませんでした。

  その一方、国債残高が1000兆円を超え財政危機が叫ばれたものの、財政破綻の兆候
は一向に現れて来ませんでした。

  主流派経済学の下では、デフレを貨幣供給量の不足と捉え金融緩和により貨幣供給量
を増やせばインフレに転換すると考えられていたのです。

  しかし、金融緩和によってもデフレからインフレにならないのみならず、赤字国債残高が
膨大になっても自国建て国債であればハイパーインフレにもならず財政破綻もしないこと
が分かったのです。


  では、金融緩和によってどうしてインフレにならなかったのか。
日銀の金融緩和策(買いオペ) により増えた日銀当座の準備預金は、本来、銀行間のイン
ターバンク取引に使用する為のもので金利が付きません。 

  その一方、企業の資金需要が伸びないまま推移し、低金利にも拘わらず銀行の貸出
が増えなかったのです。 
  その結果、仕方なく銀行は増えた分の準備預金で利息の付く日本国債を買っていたの
です。


  つまり、資金需要がなければ、金融を幾ら緩和しても貨幣供給量は増えないこと、そして、
貨幣供給量を増やし資金需要を高める方策としては赤字国債の発行を増やす積極財政
政策しかないことが分かったのです。

  ではなぜ、赤字国債の発行増により需要が増えるのか。

  日銀当座を持っている銀行が国債を準備預金を使って買うと、国債購入代金が日銀から
政府の当座に振り込まれて予算に基づき支出されます。

  政府が予算を執行(公共事業その他の発注)すると、受注した事業者にその費用として
貨幣が供給されます。
 事業者はその貨幣で物を買ったり投資したりするので、その結果として市中の貨幣供給
量が増えることになり、新たな需要が喚起されることになります。

 
  市中に出回る貨幣供給量を直接的に増大させる方策は積極的財政政策であることがこ
れで証明されたのです。


  ところで、累積赤字国債残高が増えても財政破綻しないのはなぜか。

 日銀は赤字国債を発行する一方で、買いオペにより銀行から国債を買っており、日銀の保有
国債は500兆円に達する程です。
 また、5年、10年という国債の償還期限時には、新規国債を発行して旧国債と差換え、かつ
旧国債の利払いに充てるので償還不能という問題が生じることはないのです。


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