インターネット行政書士のフロンティア戦略  第157号   
                    令和2年9月25日発行
         
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                      今回の目次
              □
 ドコモ口座からの不正引出しについて



  ドコモ口座を開設した名義人が代金の支払いをスマホで決済した場合、登録した銀行口座
からドコモ口座に送金し、そこから売主の口座に入金するサービスのことを、NTTドコモ電子決
済サービスと云います。

  資金決済法(平成22年施行)により銀行以外でも送金業務が可能となり、送金を担う業者
を資金移動業者と云います。

  資金移動業者は現在、NTTドコモを始め、ペイペイ、ラインペイなど75社が登録されており、
取扱額は1兆3千臆円に達しています。

 
  さて、最近、買物をしていないのに、登録銀行口座から勝手に引出されるという不正送金
事件が発覚しました。
  ゆうちょ銀行だけでも約380件、6000万円 (9月22日現在)の被害額に達しています。

  なぜこんなことが起きたのか。

  実は、犯罪収益移転防止法により、10万円を超える送金の場合、資金移動業者には本人
確認が義務付けられているのです。

  ところが、ドコモ側はドコモ口座の開設時に本人確認をせず、メールアドレスだけで口座開
設を可能にしていたことに不正送金の介いる余地があったのです。

  どういうことかと申しますと、ドコモ口座の開設者は銀行口座を送金元や送金先に設定しま
すが、銀行口座の開設時に厳正な本人確認が行われているとして、ドコモ口座の開設時の
本人確認を事実上銀行に肩代わりさせていたのです。

  しかし、これだとドコモ口座の開設が本人以外の者でも可能になります。
つまり、誰かが本人の銀行口座の名義やキャッシュカードの暗証番号などを不正に入手すれ
ば、簡単にドコモ口座が開設出来てしまいます。

  犯人は不正入手した情報により預金者に成りすまし、預金者の銀行口座から不正に開設した
ドコモ口座に送金して、そこから引き出していたのです。

  ドコモ口座の開設時の本人確認の方法としては、ドコモ側が認証コードを銀行口座開設者に
送信して、本人に認証コードを入力させる方法があります。
 もし本人がドコモ口座を開設していなければ、ここで不正なドコモ口座の開設が発覚します。


  このように銀行口座とドコモ口座の開設時に本人確認を行う2段階認証システムを導入する
ことで、格段にセキュリティーは高まります。


  更に銀行が導入しているワンタイムバスワードによる本人確認があります。

 これは銀行から口座開設者にワンタイムバスワード生成機(有効期限が5年の小さなツール)が
郵送されて来るもので、本人が印鑑と同じように管理しているものです。  
 そして、インターネットにより本人の口座から売主などの口座に送金する際、パソコン画面での
入力が義務付けられています。 

  ワンタイムバスワードは、フィッシングの危険性が低いのでセキュリティーを一層高めます。
 

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