インターネット行政書士のフロンティア戦略 第132号
平成28年8月29日発行
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。
今回の目次
□ ステマ記事と悪徳商法
ステマとはステルスマーケテイングの略称です。
ステルスマーケテイングとは、消費者に宣伝と気付かれないように宣伝行為をすることです。
具体例を書きますと、
1 新店舗のオープン時や新商品の発売時にバイトを多量に雇って店の前に行列を作り、それを
撮影したり記事にしてマスメディアに多量に流し、実際にはさほど評価されていない店であっても
評価が高いかのようなイメージを持たせる。
2 芸能事務所があるタレントを売り込む為に、テレビカメラなどの前にバイトを多量に雇って集め
熱狂的なファンであるかのようなパフォーマンスをさせ、実際以上に人気が高いタレントであるか
の偽のイメージを持たせる。
3 有力なブロガーに報酬を支払って特定の企業や製品についての高い評価を与える記事を書か
せ、あたかも第三者から見た客観的な記事であるかのように見せかける。
4 飲食店の口コミサイト内の自社に関するページに否定的な意見を載せず肯定的な意見だけを
掲載して、ページを見た人にいいイメージだけを与えるように装う。
ステマはテレビ業界で云う「やらせ」のマーケテングへの応用とも取れます。
「やらせ」とは実際に報道の対象としての事実が存在しないのにそれが存在するかのように演出
する行為であり、事実に反することを隠蔽して事実であるかのように装う作為的な歪曲のこ
とです。
さて、平成26年頃にバイナリーオプション業者と安易に契約して被害に遭う人が急増しました。
バイナリーオプション業には金融商品取引法が適用される為、金融庁に登録が必要なのですが、
トラブルを起こしていたのは海外の無登録業者でした。
バイナリーオプションは為替の高低を予想して売買を行うもので、ギャンブル性が高い金融取引
です。 このバイナリーオプション業者はネットにステマ記事を掲載して勧誘を行っていました。
ステマ記事では「30分で10万円勝てる方法を教えます」「1週間に200万円稼げます」などと口コミ
を装っているので、一見広告には見えません。
しかし、これらの記事は全てバイナリーオプション業者の投稿で、最後の方に張られた業者のサイト
に誘導する仕組みになっていました。
最近では、ステマ記事から誘導するサイトの商品の中身がバイナリーオプションであることを隠して
いるものがあります。
例えば、「Eシステム」とか「アルケミストジャパンプロク゛ラム」とか表記されているものがそうで、
ステマ記事では無料アンケートだけを募集しているように装っています。
無料アンケート募集に応募するとメールで画像が届き、最後の方でクレジットカード決済の画面が
出てくるのです。
これは何を買う契約なのかと云えば、バイナリーオプションシステム利用料に教材、特別授業、
合宿セミナー、メールサポートなどが付帯しており、要するにバイナリーオプションの塾の受講料と
云うべきものです。
しかし、簡単に儲かるうまい話などこの世の中にある筈がありません。
ステマ記事から巧みに誘導する金融商品系の悪徳商法に関しては、間違ってクレジットカード決済
をしてしまった場合<クレジットカード会社に申し入れればキャンセルに応じてくれることが多いようです。
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