インターネット行政書士のフロンティア戦略 第111号
平成25年12月2日発行
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。
今回の目次
□ 不正競争防止法上の「営業秘密」と民事的保護について
不正競争防止法上の「営業秘密」とは、以下の3つの要件を全て満たしている場合を
いいます(同法第2条第6項)。
1 秘密として管理されていること (秘密管理性)
情報にアクセスできる者が特定されており、
情報にアクセスした者がそれが秘密であることを客観的に
認識出来る状態(情報セキュリティのレベルが高い)
にあることが必要です。
<具体例>
イ 媒体が紙、ディスクの場合
媒体に「秘」「部外秘」などの秘密情報である旨の表示がある。
施錠した戸棚などに保管され、鍵は一定の取扱責任者が保管
している。
使用する際に承認手続きが要り、使用する者が制限されている。
ロ コンピューター内の磁気情報の場合
パスワードが設定されている。
アクセスできる端末と人が制限されている。
使用する際に承認手続きが要り、使用する者が制限されている。
2 事業活動に有用な情報であること (有用性)
生産方法、販売方法、その他の事業活動に有用な技術上
又は営業上の情報
3 公然と知られていないこと (非公知性)
営業秘密侵害行為に対する民事的保護としては、次のことが準備されています。
他人の営業秘密である技術情報を用いて商品が製作されるおそれがある場合、
その商品の部品または設備の廃棄、及び販売行為の停止を求めることもできます。
ただし、営業秘密に関する差止請求権は、差止めの対象となる行為が継続する場合、
当該行為及びその行為者を知った時から3年で消滅時効となります。
また、除斥期間は当該行為の開始時から10年とされています(同法15条)。
営業秘密を侵害した場合に侵害した者が「侵害により受けた利益の額」が、損害額と
推定されます(同法5条2項)。
特に、技術上の営業秘密が侵害された場合、
「(被害者がその侵害行為がなければ販売することができた物の単位数量あたりの利益)
×(侵害者が販売した物の数量)」を、
損害額と推定することができます(同法5条1項)。
侵害者が利益を上げていない場合にも逸失利益の立証が容易になっているのです。
謝罪広告の掲載など、営業秘密の侵害によって損なわれた信頼を回復するために
必要な措置を求めることができます。
4 秘密保持命令(同法10〜12条)
営業秘密の侵害が争われて、裁判所に提出する書面や証拠に営業秘密が含まれて
いる場合、訴訟を通じて営業秘密が漏えいする危険性があります。
そこで、裁判所は、訴訟の当事者に対して、書面や証拠に含まれる営業秘密を不正に
使用又は開示してはならないと命じることができます。
この命令に違反すると、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されます。
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