インターネット行政書士のフロンティア戦略  第110号   
                 平成25年10月28日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                  今回の目次
           □ 印鑑証明書の有効期限について
  


  欧米では重要な契約書等にサインをしてサイン証明を添付しますが、日本では印鑑を
押印する慣習が昔から定着していて今日でも印鑑が法律上も特別の意義を持っています。

  日本では印鑑の公証事務を円滑化する為に印鑑登録制度が設けられています。 
実印を市町村役場に登録して必要な時に印鑑証明書を交付して貰い重要な文書に添付
します。
  印鑑証明書を添付することで印鑑が本人の 印鑑であることが証明されて、文書の真
正が担保されるのです。

  印鑑証明書を直接規定する法律はありません。  印鑑証明制度の根拠法令は、自治
省の印鑑登録証明事務処理要綱(1974年)に従って区市町村が制定した印鑑登録に関す
る条例です。

  ただし、この条例では印鑑証明書の有効期限が定められていないのです。
しかし、銀行や公証役場では作成後3ヶ月以内の印鑑証明書を要求して来ますし、不動
産登記申請に係る印鑑証明書は相続登記を除き作成後3ヶ月以内のものとする旨が不
動産登記法施行細則44条で定められています。

  では、なぜ有効期限がある場合とない場合があるのでしょうか。
印鑑証明書の添付を求める目的として次の2つがあり、その目的の違いがその理由なの
です。
イ 本人の直近の意思(契約意思、登記意思など)を確認する為。
ロ 文書の真正を担保する為。

  相続登記で遺産分割協議書に添付する印鑑証明書に有効期限がありませんが、それ
は上記ロの目的で印鑑証明書を要求しているからです。  
  つまり、文書の印影と印鑑証明書の印影が一致していれば真正な文書と法律上推定
されるので、作成日が新しいか古いかは一切それに影響せず有効期限など不要だから
です。

 これに対し、銀行や公証役場や相続登記以外の登記申請で法務局から作成後3ヶ月
以内の印鑑証明書を要求されるのは、上記イの目的で印鑑証明書が使用されるから
です。
 
  以上を整理しますと、印鑑証明書には意思確認の為と文書の真正担保という2つの
使用目的があり、後者の目的の場合には有効期限など不要であるが、前者の目的の
場合には提出先により有効期限が定められているということです。


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