情報のコーディネーター  第94号
         
    平成26年8月26日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                   今回の目次
             □ 政府紙幣の発行と造幣益について
     


  政府紙幣とは、聞き慣れない名前です。  しかし、10円、100円、500円のコイン(硬貨)
はれっきとした政府貨幣です。   ただ政府紙幣の方は発行されていないだけで、
現在流通している紙幣は日銀が発行する日銀券のみです。

  日銀券と政府紙幣には大きな違いがあります。   政府紙幣を発行すると造幣益が
政府の収入に計上されます。   これが半端でなく、1万円紙幣の製造費が22円なら
9978円が造幣益となります。

  この造幣益を財政政策に使えと、政府紙幣発行論者は主張しています。
日本では丹羽春喜氏がその代表ですが、アメリカのスティグリッツ(2001年ノーベル経済
学賞受賞者)も平成15年の来日時にそれを提案しています。

  なのに、政府紙幣発行については理解されていないのかマスコミに殆ど登場しません。 
多くの識者は紙幣の増発に伴うインフレ懸念を論拠に反対又は無視しているのが実情の
ようです。

  しかし、日本では大きなデフレ・ギャップが存在しています。 
つまり、総需要が不足していて膨大な供給力(生産能力)が遊休化しているのです。

  そこで、造幣益を使ってケインズ的財政支出(内需拡大策)を行えば、インフレにならずに
財政再建と高度経済成長を達成出来る筈だと、政府紙幣発行論者は主張するのです。

  政府紙幣と日銀券の二つがあると世の中が混乱すると云うのであれば、政府紙幣を
日銀の国庫に納入して財政支出の時は日銀券で行えばいいのです。  

また、改正日銀法(平成10年4月施行)では、日銀券の発行額の上限が撤廃されています。


 ところで、聞き慣れない政府紙幣ですが、明治新政府が当初から明治15年まで発行して
いた「太政官札」というは政府紙幣です。

 税収が殆どなかった明治新政府は、明治2年で財政収入の94%を「太政官札」の発行によ
った得た造幣益に依存していたのです。 

  この造幣益があったからこそ文明開化の為のインフラ整備や殖産興業をなし得たのです。
インフレになったかと云えばそうではなく、明治10年の西南の役まではデフレ基調だったのです。

 この夏、政府紙幣の発行と造幣益という面白いテーマを見付けましたので、
整理して見ました。

 
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