情報のコーディネーター  第80号
         
    平成24年12月3日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                   今回の目次
           □   虚偽自白の構造                         

 前回、PC遠隔操作事件の記事の中で誤認逮捕された4人の内2人が虚偽の自白
をしていたと書きましたが、今日はその続編として虚偽自白の構造について考えて
見ます。

 この事件は、他人のパソコンにウィルスをまず感染させておいてその他人になりす
まし遠隔操作により犯罪予告の書き込みをするというサイバー犯罪でした。

 そして、IPアドレスから突き止められた人というは真犯人に利用された他人だった
にも拘わらず、警察に犯人と誤認されて逮捕されてしまったのです。

  こんな捜査のレベルですから、このネット社会では誰でもいつ誤認逮捕されるか
分からないということになります。

  逮捕者は警察の密室での取り調べが連日続くことで以下のような心理状態に
なり易いといいます。

・「記憶違いではないか」と執拗に追及されると独房で「俺の記憶違いなのかも」と
 不安になることがある。

・強い不安感、睡眠不足、疲労、外界からの遮断、密室での拘禁状態の中では
 暗示にかかりやすく、追及に沿った記憶が作られてしまうことがある。

・周囲の人に迷惑をかけるまいとばかり思い始め、他人をかばいたくなる。

・相手の意向に沿った供述をしようとする力が働きやすく、共同作業として
 の供述調書が作られやすい。


 そして、調査官の使う次のような言葉が特に虚偽の自白を誘うといいます。

・「今認めれば罰金で済むし、すぐ保釈され家族にも会える」「意地を張っても
 裁判になれば有罪になる。  早く認めて人生をやり直したほうが得だ」

・「認めなければ少年院に行くことになる」 「 否認すると長くなるぞ」


  さて、虚偽自白の予防策ですが、容疑者には弁護士選任権と黙秘権が
あります。   「直ぐに弁護士を呼んでくれ」と云って、弁護士と相談する
までは黙秘することです。

  検察のチェック機能のなさも今回の事件で露呈されています。
取り調べの全可視化が実行されるまで、検察批判は止まないと思われます。

  これまでブラックボックスだった検察の世界ですが、検察暴露本により内部
事情を知ることが出来ます。
 この種の本の私の一押しは、市川寛著「検事失格」です。


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