情報のコーディネーター 第67号
平成22年12月18日発行
窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。
今回の目次
□ グーグルの検索サービス独占について
☆ グーグルとヤフーの業務提携
☆ 著作権法の改正
☆ グーグルアドセンスの突然の無効通知
□ グーグルの検索サービス独占について
☆ グーグルとヤフーの業務提携
ヤフーJAPANは検索エンジンと検索連動型広告配信システムをグーグルに切り替え
ることになります。 米国ヤフーは2009年7月にマイクロソフトから検索エンジンと
検索連動型広告配信システムの技術提供を受けることに決定しましたが、ヤフー
JAPANは独自の判断でグーグルを選択したのです。
検索サービスの日本でのシェアはヤフーが58%、グーグルが37%でしたが、この結果
グーグルのシェアが90%超になると予想されます。 楽天とマイクロソフトは独禁法
第45条に基づき措置請求を公取委に申立ていました。
しかし、公取委は平成22年12月2日に「独禁法上の問題はない」とした調査結果を
公表しています。
つまり、企業間の競争の結果として一部企業のシェアが拡大していくこと自体は独禁法
で禁じていないのです。 「独占的状態」とされる要件は厳しくこれまでも公取委から
「独占的状態」だとして解消命令を発動されたケースはないのです。
今回の調査でも公取委は「提携後もそれぞれ独自のサービス、営業活動を行って
いくものとされ、広告価格などについても協調的な行動をとっているとはいえない」と
しています。
ただし、今後グーグルが価格操作など競争を妨げるなどの具体的な行為に出たなら
独禁法違反ではないかという問題は生じますので、公取委は今後の状況をチェックして
いく必要があるとして情報収集用の専用メールアドレスを設定しました。
☆ 著作権法の改正
検索サービス提供業者はクローラーというロボットを使用してネット上の情報を収集し
サーバに収納しています。 溜め込んだデータはインデックス化しリストにまとめられ、
ユーザーがキーワードで検索するとリストの中から関連のあるリストが検索結果として
表示されることになります。
実は、クローラーで収集する行為が著作権法上の複製に、リスト化は翻案に該当する
のではないかという疑念が以前から上がっていました。
つまり、日本では最近までグレーゾーンだったのです。
幸い、裁判沙汰にならない内に、著作権法の改正(平成21年1月施行)により検索
サービス提供業者は検索サービスの提供に必要な範囲で著作物の複製が出来る
(著作権第47条の6)とされました。
☆ グーグルアドセンスの突然の無効通知
グーグルアドセンスは自分のホームページの広告を閲覧者がクリックしてくれると
収益が得られるという大変画期的な仕組みです。
収益を少しでも上げたいと思ったら、ホームページのコンテンツをより濃いものにしたり、
更新を頻繁に行って上位表示を達成しつづけることが必要になりますから、グーグルに
とってもホームページがより良質化するというメリットがあります。
一方で広告収入を少しでも稼ごうとして不正アクセスなどの不正行為を行う者がいる
ようです。 グーグルではこれらの者を見付けるとアカウントを無効にする措置を取って
います。
グーグルは自動ソフトで監視しているようで、収益が急に上昇したような場合には不正
行為の危険性ありとして無効にしてしまうようです。 尤も異議の申立てが出来、不正が
ないとされれば1ヶ月半後位には再開されます。
問題なのは、無効の連絡が前触れもなしに来ることと不正行為の覚えがない者までが
巻き込まれていることです。
グーグルアドセンスへは契約により参加しているのですから、催告なしの無効や無効の
具体的な理由を一切告知しないのは、やはり信義則に反すると思います。
グーグルのホームページには質問に対する解説が載っていますが、もう少し利用者の
レベルに合わせて分かり易い表現にしてほしいと思うことがあります。
グーグルはアメリカでの株式公開が6年前で大変新しい会社なのです。
超優秀な技術者を沢山抱えていると聞いていますが、法務や顧客対応の面はこれから
充実されて来るのでしょう。
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