情報のコーディネーター  第57号
         
 
       平成21年10月1日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

               今回の目次
        □ JAL経営不振の真実
           ☆ JALと空港特別会計の関係
           ☆ 産業再生法と再建策



   □  JAL経営不振の真実

      ☆ JALと空港特別会計の関係
 
昨年秋からの金融危機と新型インフルエンザの流行で利用客が激減し、
前々から悪化していたJALの財務内容を
深刻化させています。
3月期の連結決算で631億円の赤字で、4月〜6月では990億円の赤字です。

 因みに、JALの路線数は400、従業員は47000人で、平成21年3月期の売上高は連結
で1兆9491億円です。  有利子負債は8000億円あり、その内の2300億円は日本政策
投資銀行の融資です。
                       
 JALと聞けば国際線というイメージが先行しますが、松本空港のような国内の地方空港
にも乗入れています。  しかも、松本へはJAL1社だけなのです。
松本空港は2億4千万円の赤字を出しています。 このような不採算空港にまでJALは
なぜ路線を広げているのでしょうか。
                        
 日本には97の空港があります。 地方自治体が管理する空港は58ありますが、
何とその内の53が赤字と云います。

 こんな不採算空港を作り続けさせて来たものこそ、空港特別会計(現在は社会
資本整備事業特別会計空港整備勘定という)なのです。

 この勘定は、航空会社が支払う着陸料、空港使用料、航空機燃料税を財源とし、
2009年度の予算は5280億円です。   地方自治体が主導して建設・運営する空港
にもこの勘定から50%が補助金として支出されているのです。

 前原国交相によれば、予算があるので採算に関係なく新空港を作らせることになり、
空港が出来ると政治家や役人がJALに飛ばせと押し付けて来たという。

 JALは20年前に国営企業から完全民営化されましたが、メインバンクが日本政策投資
銀行であったり、まだ親方日の丸体質があったのです。
 つまり、潰れることはなく最後は国が支援してくれるという意識と政財官のもたれあい
構造が、JAL経営不振の根本原因だったのです。


     ☆ 産業再生法と再建策

 産業再生法(改正産業活力再生特別措置法)は平成21年4月22日に成立した
新しい法律です。  従業員が5千人以上で、金融危機による急激な売上高の減少
(四半期で前年同期比20%以上)があった企業を対象に、公的資金により資本増強を
図るものです。  これまでは、エルピーダメモリに300億円を出資しています。

 JALも同法適用の申請をしましたが、日本政策投資銀行は難色を示しています。
同法適用の条件として3年後の企業価値向上があり、3月期に債務超過になるとされて
いるJALにそれが期待出来るかというのです。

 ここに来て浮上して来たのが新旧分割案です。 
優良路線を新会社が引継ぎ、赤字路線は旧会社に残してやがて清算するというものです。
これは、GMが選択した道です。
JALも破綻の一歩手前まで来ているというのが金融筋の見方のようです。


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