情報のコーディネーター 第50号
平成21年2月3日発行
窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。
今回の目次
□ オバマの就任演説
☆ 評が分かれた演説内容
☆ ニューソートの影響か
□ オバマの就任演説
☆ 評が分かれた演説内容
1月20日のオバマ新大統領の就任演説ほど注目された演説は、近年ありません。
ところが、演説内容の評価になると人によってかなり温度差があるようです。
アメリカのある雑誌のコラムには、「ビジョンに欠ける」「名言がない」「優雅でもなく
無味乾燥」などというかなり期待はずれな印象の記事が載っていたそうです。
私個人としてはこれは少し言い過ぎだと思います。
私も演説全文を読みましたが、優雅さがない訳でもなく、ビジョンがない訳でもなく、
名言もない訳ではないからです。
まず、全体的に感じるのは表現が文学的であるということです。 例えば、
前半では「・・・暗雲が垂れ込め、嵐が吹きすさぶただ中で行われた宣誓もあった」
「我々は困難な選択を避け、次世代への準備にも失敗している」
「我々は実行されない約束やささいな不満を終わらせ、これまで使い果たされ、
そして政治を長いこと混乱させてきた独断などをやめる」・・・これらがそうです。
しかし、オバマは誰でも分かる平易な言葉で過去の政治を批判し、
古い政治との決別を語っているのだということ、 そしてこれまで優柔不断であった
政治的決断を断固として行うことを宣言しているのだということは、
ひとつの説明も要しないと思います。
オバマは細かな政策の前提となる政治哲学を語ったのであり、
これが就任演説の伝統的なスタイルではなかったのかと思うのです。
☆ ニューソートの影響か
最後に私の個人的な感想を述べます。
オバマの演説にはキリスト教牧師の影響があるように思えます。
どういうことかと申しますと、アメリカには「 ニューソート(新しい人生の考え方)」という
思想の流れがあり、 その代表がロバート・シュラーという牧師なのですが、
彼の「信念」という本を読みますと、オバマに影響したと思える表現が沢山あるのです。
一つの例を挙げるなら、
「立派なことを成し遂げようと決意を固めた以上、もう完敗はあり得ない。
少なくとも、すでに臆病な心に打ち勝ったのであるから」
ニューソートという言葉は知らなくても、日本では積極思考とかプラス思考という形で
心理学の本に溢れています。 とにかく、積極思考の本を読むと元気付けられます。
オバマの演説を聞くと高揚感を持つというのは、ニューソートから来ているのだろうと
思います。
ニューソートはキリスト教の宗派のひとつですが、宗教色は薄く、
現代心理学を生んだ思想と言われるくらいに合理的な思想です。
オバマは就任演説が2週間という時期にもう具体的な政策を発表しつつつあります。
アメリカは異常な格差社会です。
アメリカの総所得の4割は、トップ経営者400人の所得合計で占めるといいます。
先日、オバマは「公的資金注入を受けたGMトップの年収が14億もあるのは恥ずべきこと」
と発言しました。
アメリカが変わって行きそうな気がして来たのは私だけでしょうか。
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