情報のコーディネーター  第49号
         
 
       平成21年1月5日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

               今回の目次
        □ 未曾有の危機的状況
           ☆ 今期トヨタが営業赤字に転落
           ☆ 通説を疑え、異端にこそ真理がある



  □ 未曾有の危機的状況

      ☆ 今期トヨタが営業赤字に転落
  トヨタと言えば、6年前に経常利益が1兆円を超えた大企業です。
2007年の実績をGMと比較すると次の通りです。
             生産台数        販売台数
    トヨタ      995万台       936万9524台
    GM       985万台       936万6418台

  トヨタは2008年に生産、販売、売上高で三冠を達成すると云われていたのですが、
ここに来て販売見通しを754万台に下方修正し、営業利益が1500億円の赤字に転落
する見込みとなったのです。 ちなみに2007年の営業利益は2兆2703億円でした。

 トヨタの連結決算    売上高       営業利益     最終利益
       2007年  26兆2800億円   2兆2700億円   1兆7241億円
       2008年  21兆5000億円     -1500億円       500億円(97.1%減)

  トヨタが営業利益で赤字となるのは、実に決算書が残る1941年以来初めてのことです。
100年に一度の金融危機は、トヨタにさえこれほどの影響が出たのです。 

  販売不振と為替レートが90円を割ったこと(当初想定は1ドル100円)がバブルパンチと
なったのです。  実体経済への影響がじわじわと広がって行くのかと思うと背筋が寒く
なります。


     ☆ 通説を疑え、異端にこそ真理がある

  本号を書いている途中で新年を迎えました。
明けましておめでとうございます。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  年末に私の体にも変調が出ました。 ストレスに強かった筈の腸がおかしく、
起きれないのです。 医者からは酒も禁じられ、1週間は静養していました。
 それでも昼には起きて来て、次の3冊の経済の本を読んでいました。

1 金子勝「閉塞経済」 ちくま新書
  「通説を疑え、異端にこそ真理がある」は、この本の帯にあった言葉です。
金子氏によれば、これまでの主流派経済学では今日の問題を解決出来ず、
新しい経済学が必要だと云います。 格差とかセーフティーネットの問題、つまり
自由・平等という哲学的な問題と経済学の融合が今求められているのです。
しかし、それはこれまでの経済学からすれば異端になるということらしい。

2 神谷秀樹「強欲資本主義ウォール街の自爆」 文春新書
  アメリカの投資銀行の正体が克明に書かれています。 投資銀行は資本主義が元々
持っていた最も汚い部分を好き放題にやった末に自己崩壊しようといるように見えます。
日本人にはなぜこれまでその実態を知らされなかったのだろうと思います。

3 榊原英資「間違いだらけの経済政策」日経プレミアムシリーズ
  榊原氏によれば政府の経済政策は悉く間違っていたという。 主流派経済学は
現代の問題にフィットしていないのですから、当然とも云えます。 日本で起こって
いる構造的変化に対応する経済政策が必要と云いますが、経済学そのものが
問われている今、方向性を示唆するのが精一杯のようです。

  どれも大変面白く、経済学の本をこんなに夢中で読んだことはありません。
私は経済の全くの素人ですが、経済学をやる人はチャンスの時代が到来したのです。
 とにかく経済学の動向はこれから目が離せません。


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