情報のコーディネーター  第48号
       
[ イトル 子孫への最大の贈り物 〜巻物家系図を残しませか ]
         
 
       平成20年12月18日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

               今回の目次
        □ GMの驕り
           ☆ GM帝国の惨状
           ☆ これからGMはどうなる



    □ GMの驕り

     ☆ GM帝国の惨状
 GMの自動車の販売台数は、936万台でトヨタとほぼ同じです。 
しかし、従業員数ではトヨタは6万人であるのに対し、GMが25万人もおり、1時間あたり
の労務コストもトヨタが58ドルであるのに対しGMが76ドルも掛かっています。

  今期は車1台生産するのにトヨタが6万円の利益が出ているのに対し、GMは11万円の
赤字になるといいます。  つまり、1兆296億円の赤字が出る計算になります。

  こんな赤字会社なのにワゴナー会長は13億円の報酬を取っていると云いますから
空いた口が塞がりません。
                     
  アメリカ上院は再建策が物足りないとしてビッグ3救済法案を廃案にしました。
そもそもアメリカの国是である市場原理主義からすれば、
特定企業を国が救済することなど出来ない話だった筈です。
                       
 とはいえ、GMの凋落は凄まじ過ぎます。 GMの10月新車販売は前年より45%減です。 
GMの主力である大型車がここに来て急激に売れなくなっているのです。  

  GMの債務超過額は9月末で5兆4000億円にも達しており、破綻寸前なのです。
アメリカを象徴する大企業GMがなぜこうなってしまったのでしょうか。
 整理しますと以下の通りです。

 イ 次世代低燃費小型車や代替燃料車の開発に消極的であった。
 ロ 工場の設備が老朽化し、昔ながら大型車の生産ラインしかない。
 ハ 従業員の医療費のGM負担額が巨額で生産コストを押し上げている。
 ニ モデル(車種)は多過ぎ、1モデル当たりの販売台数が少ない。
    例  GMは81モデルなのに対し、トヨタは27モデル。
 ホ 大幅な値引きに拘らず、新車が売れない。
 ヘ GMの利益の80%は金融子会社GMACの稼きであるが、
    その自動車ローンが金融危機で伸びない。


    ☆ これからGMはどうなる
  GMを見ていると、戦前の日本の巨砲巨艦主義を連想してしまいます。
低燃費で性能がいい日本車がアメリカの消費者に好まれどんどん売上を伸ばして
いるのに、GMの経営者は物凄くガソリンを食う大型車に拘り続けて来ました。

 そこに環境重視の潮流が襲って来たのです。 低燃費で廉価な小型車志向が
若者からシニアまで広まって、GM車が見向きもされなくなってしまったのです。

  市場の動向に何の打つ手も取らなかったGM経営者の責任は誠に重いのです。
今では株価が1ドルまで低下し、社債はジャンク債と同じ格付けまで下がっています。
かっては輝くばかりの全米トップ企業も驕ればこうなってしまうのです。

  GMの危機は一過性のものと違い救済の限界を超えているように思えます。
1941年の真珠湾奇襲が巨砲巨艦主義を終焉させ飛行機の時代に入ったように、
アメリカ自動車界でもこれに匹敵する歴史的変化が起こるに違いありません。


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