情報のコーディネーター 第148号
令和4年11月30日発行
窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。
今回の目次
□ 日本銀行とFRBの違い、及び通貨発行権について
1 日本銀行の概要
日本銀行(にっぽんぎんこう、日本銀行券にNIPPON GINKOと表記)は、日本銀行法に
基づき設立された日本の中央銀行です。
資本金は1億円で、出資証券(株式会社の株式に相当)が東証スタンダードに上場(令和
4年4月4日から市場区分なしに変更)、出資証券の55%は日本政府が保有し、残り
は個人が40.6%、金融機関が1.9%保有していますが、所有者名は非公開です。
また、年に出る1兆円程度の剰余金(純利益)の95%は国庫納付金として国庫に納入
されており、その中には通貨発行益の国債利息収入も含まれています。
つまり、日本銀行は日本政府から独立性の認められた法人でありつつ、その実態は
日本政府の連結子会社なのです。
日本銀行の業務は以下の4つです。
イ 現金の供給(日本銀行券の発行)と決済サービスの提供、日本国債の集中保管
ロ 金融政策の運営 ハ 金融システムの安定確保 ニ 国の事務の取扱い
なお、金融政策は、日本銀行の政策委員会(9人のメンバーで構成)で決定します。
2 FRB (連邦準備制度理事会)の概要
アメリカの中央銀行に相当する組織は連邦準備制度と呼ばれます。
連邦準備制度は、連邦準備制度理事会(理事は7人)とその下部組織の全米12地区
にある連邦準備銀行(地区連銀、FRB)とで構成されています。
連邦準備制度理事会は公定歩合の決定権を持ち、7人の理事は連邦公開市
場委員会(FOMC、金融政策を決定、FRB議長がFOMCの議長)のメンバーです。
つまり、連邦準備制度理事会がアメリカの連邦準備制度の最高意思決定機関であり、
中央銀行そのものを意味していることになります。
実際の中央銀行の業務を行っているのは、全米12地区にある連銀です。
日本銀行が日本政府の子会社であるのに対して、FRBは100%民間会社です。
FRBは1913年にロスチャイルド家の代理人ポール・ウォーバーグが設立運動の中心と
なり、ウィルソン大統領(民主党)がオーウェン・グラス法に署名したことで成立します。
FRBの株主は米国のロックフェラー系のチェースマンハッタン銀行を除くと、欧州のロ
スチャイルド系11行によって占められており、FRBはユダヤ系国際金融資本家が所有し
ているのです。
FRBがユダヤ系国際金融資本家が所有する民間会社である点が、日本銀行との一
番大きな違いです。
3 通貨発行権について
イ 日本の場合
新貨幣法(1987年公布)では、通貨を「貨幣と日本銀行券」と定義しています。
貨幣は政府が製造・発行している硬貨を云い、日本銀行券は貨幣ではなく、
通貨の一種ということになります。
政府が発行する紙製の通貨を政府発行紙幣と云いますが、現在は発行されていま
せん。
日本銀行は日本銀行券という通貨を製造・発行しているので、通貨発行権は日本
銀行が保有していることになります。
日本銀行は、市中銀行が保有する国債や社債を買取ってその対価として日本銀行
券を発行しています。
戦前、戦費を捻出する為、政府は国債をバンバン発行しかつ政府発行紙幣もジャンジ
ャン刷って、日本銀行に国債の全て買い取らせるということを無制限に行い、深刻なイン
フレを招いた反省から、日本銀行による国債の直接引き受け(財政ファィナンス)は禁止
されています。
ロ アメリカの場合
アメリカで通貨(ドル紙幣)を発行するのは、全米12地区にある民間銀行の連銀です。
しかし、米国憲法18条でドル紙幣の発行権は議会にあるとされていますから、ドル紙
幣は無利子の小口国債(債権証書)という名目で発行されているのです。
FRBは連銀発行のドル紙幣を財務省に貸し付けて、その担保として政府発行の国債
を受け取るというカラクリにしているのです。
その結果、政府の財政赤字が大きくなればなるほど、FRBはドル紙幣の発行を増や
し受け取る国債が増える結果、FRBの利益(国債の利息)も増えることになります。
つまり、通貨発行益は日本銀行の場合、政府に還元されているのに対して、FRBの
場合は内部に溜まり政府に還元されることがないという違いがあるのです。
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