情報のコーディネーター  第134号
     
          令和2年11月10日発行
           窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                      今回の目次
               □ 大乗仏教学を教養課程で教えよ



  日本は30年近いデフレから未だに脱却出来ず、日本だけが経済成長していません。
新型コロナウィルス対応でテレワークが増えると、多くの日本企業が減収となる中、GA
FAと呼ばれるアメリカの4大IT企業はそろって増収になっています。

  これら4大IT企業が大きくなったのは21世紀に入ってからであり、その収入の多くは
ネットによる広告収入とネット販売の手数料などです。

  今や人はスマホやパソコンで商品を買い、情報を仕入れ、音楽の演奏やテレビ放送
もパソコンで見ています。  ネットのサイトには、その分野の専門家による裏情報の動
画サイト(ユーチューブ)があり、新聞の記事やテレビの放送に取り上げられていない重
要な内外の情報が得られます。

  朝日新聞は従軍慰安婦に関する虚偽記事で信頼が失墜し販売量を急減させ、4年
前のアメリカ大統領選挙では殆どの大手マスコミがトランプ勝利を予測出来なかったこ
とから、マスコミの流す情報に対する信頼性が昔と比べられない程に低下しています。

  日本の得意とした物造りでも、ガラケーに象徴されるように高機能を持ちながら世界
市場で全然売れない製品を製造したりしています。

  ガラパゴスという孤島に行くと、ガラパゴスにしか見られない動植物が見られます。
ガラパゴスは南アメリカ大陸から遠く離れた太平洋の孤島だったので、動植物の進化
の過程でガラパゴスに棲息する動植物だけで適者生存が進行したからです。

 ガラケー(ガラパゴス携帯の略)には、ガラパゴスの動植物を模して、そこにしか見ら
れない進化を示す変わった商品という意味が込められているのです。


  前置きが長くなりましたが、日本は1960年代~1970年代に奇跡の高度経済成長を
達成していますが、その要因は自動車、家電、精密機械などの分野でガラケーの対極
にある製品を多く開発して、それが世界市場から低価格で高性能という評価を得て世
界中を席巻したからです。

  そおいう奇跡の経済成長をリードしたのが、東大を始めとする一流大学を出た霞が
関の官僚や各メーカーの技術者であり、彼らの多くはそれほど豊かではない時代に育
った人々です。

  しかし、1969年の東大紛争前後に卒業したいわゆる団塊の世代やその後続世代は、
豊かになった時代に育ちながら、ガラケーのようなマヌケな製品しか作り出せなくなって
しまったのです。

  アメリカではビルゲイツとかジョブズのような全く新しい発想の出来る人材が、20世紀
の末頃からタケノコのように育って来たというのにです。

  ビルゲイツのような人材がなぜ日本で育たなかったのかについての研究がなぜか余
りなされていないようです。

  私見になりますが、過度の受験勉強が創造性を奪っているのではないか。
あることにエネルギーを集中し過ぎると、目標の達成後から逆にエネルギーが枯渇して
しまったり、人間が変わってしまうことがあるようです。

  もっと大きな視点、つまり歴史で見ても、ある時点から同じ人種かと思える程に劣化し
て行くことがあります。

  司馬遼太郎氏は、「日本は日露戦争以後、民族的に痴呆化し、狂躁の昭和を迎えた」
という言葉を残しています。

  戦後で云えば、高度経済成長期が日露戦争に当たり、それ以後、進学熱が高まり受
験勉強がますます苛烈になり、本当の学問をする地頭が殺されて、パズルに毛が生えた
程度の問題を解くことが上手い子供ばかりが持て囃されるつまらない平成にしてしまった
のではないか。

  受験勉強により顕著になる世界観があります。 それは何でも序列化して見るという偏
った世界観です。  その序列化の基準となるのがテストの点数なのです。

  テストの点数が高いか低いかが全ての基準である世界観に支配されると、行き着く先
は道徳の荒廃であり、煩悩の巣でしかありません。


  大乗仏教の到達点の一つである唯識説という思想では、我々が生きる世俗の諸々の
現象をアーラヤ識という潜在意識が構築した虚妄分別だとして、アーラヤ識から「智」へ
の転換を説きます。

  「智」とは、まず大円鏡智(無分別智が)が根源的智として生れ、それから平等性智、
妙観察智、成所作智などが縁起により生まれて来るとされます。

  これらの智は空(実体性の否定)を悟り、我執から離れ、つまり煩悩即涅槃の意味を
悟った後に、利他の為に生きる本当の人生の支えとなる智なのです。

  私は大乗仏教学を大学の教養部の必修科目にすべきだと思っています。
東大には地頭のいい学生が入って来るといいますが、今の点数的序列化の世界観か
ら解脱して本当にいい人生を送るには大乗仏教学が不可欠と考えるからです。

 
※ ご感想・ご意見をお寄せ下さい。
      →メールアドレス:redume@jcom.home.ne.jp


    発行者  :  行政書士 田中 明 事務所
  〒239-0822  神奈川県横須賀市浦賀5丁目42番11号    
                   TEL・FAX 046-843-6976 
    マガジン説明用Webページ : http://lantana.parfe.jp/break1.html
     内容証明郵便でブレイク! : http://lantana.parfe.jp/   
    インターネット法務支援室  : http://lantana.parfe.jp/seotope.html
-
------------------------------------------------------------------
  このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行
 しています。解除は http://www.mag2.com/m/0000113282.htm