情報のコーディネーター  第129号
     
         令和2年1月23日発行
           窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                     今回の目次
              □ 高齢者の正しいウォーキング

  筋肉には、速筋と遅筋があります。  

  速筋は瞬発力を必要とする激しい運動をする時に使う筋肉で酸素を使わないのに対して、
遅筋は持久力を必要とする運動に使う筋肉で血液中の酸素を使います。

  有酸素運動とよくいいますが、これは遅筋を使う運動のことです。

  さて、加齢に伴い増えて来る下腹などの皮下脂肪を燃焼させる方法として、「大股で、腕を
振って、速く歩く」ウォーキングが推奨されたことがあります。

  しかし、理学療法士の田中尚喜氏によれば、これは間違った歩き方で、「小股で、腕を振らず、
ゆっくり歩く」のが高齢者の正しい歩き方だと云います。

  どうしてかと云いますと、前者の歩き方では速筋を使っているので疲れやすくケガをし易いのに
対して、後者では体の奥の方に多い遅筋がゆっくり収縮して持久力を発揮するので疲れにくくケガ
をし難いからです。

  もちろん、ウォーキングなどの有酸素運動に皮下脂肪を燃焼させる効果はあります。
有酸素運動では、遅筋の筋線維内にあるミトコンドリアがATPを使って筋肉を動かすと同時に、糖
と脂肪を使ってATPを生産しているからです。


  では、「大股で、腕を振って、速く歩く」のがなぜ間違いなのでしょうか。

  まず、大股で歩くと腕を大きく振ることになり、その反動で重心が後ろに残ってしまうので、足に過
剰な負担がかかって疲れ易くなります。 

  田中氏によれば、昨今多く見られる股関節、膝、ふくらはぎ、肩甲骨などの痛み、肉離れ、アキレ
ス腱断裂などは、この間違った歩き方に一因があると云います。
 
  次に、姿勢が崩れやすく、姿勢が崩れると腰痛、膝痛、肩こりが起こし易くなります。 また、下腹
が出るなど体型の崩れを招きやすく、代謝が悪くなって生活習慣病のリスクが高まるのです。

  正しい姿勢とは耳のうしろ、肩、膝の皿のうしろ、くるぶしが一直線になることですが、この姿勢は
小股で膝を伸ばして歩くことで保てるのです。

  遅筋は立つ、歩く、座るという日常動作の中心的な筋肉です。
人は生活の中で半ば無意識に遅筋を使い鍛えているのですから、わざわざ「大股で、腕を振って、
速く歩く」歩き方に切り換える必要性などないのです。

  「小股で、腕を振らず、ゆっくり歩く」ウォーキングでは、血管の酸素を必要としますから、自然に
毛細血管の数が増えて血流が増えるようになります。

  高齢者にとってこの血流の増加こそ免疫力を高め健康維持の源になるのです。

 
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