情報のコーディネーター  第123号
         
           平成31年1月18日発行
                  窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                          今回の目次
                □ キャッシュレス先行国の光景と高齢者対応

  フランスでは、40年来開設していた銀行口座への入金がATMから出来なくなり、その後に銀行から
「口座閉鎖前予告」の通知が届くことがあると云います。

  こんなことになる理由は、要するに銀行にとって利益にならない口座だったからです。
フランスでは口座管理費に月1300円位取られるそうで、ちゃんと支払っていても利益にならないと
判断されると閉鎖に持っていくのです。

  銀行は低金利で儲からなくなっている上に、現金取扱いの事務コストが更に圧迫しているのです。  
今では、フランスの銀行の支店がコンビニ程度の広さで、窓口がなく、受付に2人位しかいないと
いいます。
 また、買物で使える現金が1000ユーロ(旅行者は1万ユーロ)に制限されて、カード決済を推奨して
いるのです。

  ヨーロッパの中ではスウェーデン、ノルウェーが、1990年代前半からデビットカードの普及に並行して
ATMの撤去が始まり、現在は現金取引が全体の10%位となり、現金での決済を拒否する店があると云
います。

  ギリシャは2年前から全ての買物のカード決済を義務化しています。  これで、現金払いで脱税され
ていた80億ユーロ(1兆円)が防止出来ると云います。

  ヨーロッパでのカード決済はデビットカードの普及と関係があります。  デビットカードというのは、銀
行口座の残高を利用額の上限とし、カード決済と同時に口座から利用額が引落される仕組みのカード
です。  
 信用力がないと発行されないクレジットカードとは違い口座を作れば発行されますから、クレジットカード
を持てない人でも利用出来るのがデビットカードなのです。

 中国では、2010年代中頃からスマホ決済が急速に普及し、キャッシュレス率が60%までになっています。
スマホ決済はデビットカードの仕組みをスマホに取り込んだものです。
 

  さて、日本は、「スイカ」のような電子マネーの利用額が世界でトップクラスなのに、スマホ決済になると、
銀行がやっとシステム開発に取組み始めたという段階なのです。

 日本ではデビットカードが余り普及していない結果、スマホ決済も進んでいなかったのです。
 しかし、日本人はクレジットカードを結構利用していますから、スマホ決済にそんなに拘泥しなくてもいい
ように思います。
 恐らく年々増加する中国人などの観光客への対応として、スマホ決済の環境を整備しようとしている
のだろうと思います。


  一方、スマホ決済はこれから増える高齢者への対応には逆行する面があります。

  高齢者にとってスマホの操作は難しく、電子マネーも余り利用せず、クレジットカードは持っていても
暗証番号を忘れて使えなくなるリスクが高い層なので、スマホ決済はハードルが高すぎます。

  銀行は事務効率化の中でATMと銀行員の数を削減して行くことになりますが、それと並行して富裕層
である高齢者に対するサービスの向上に迫られることになります。

  ある都銀は高齢者に対応したタブレットとテレビ電話を設置したボックスがあり、横には操作をサポート
する臨時職員を配置した次世代型店舗を5年以内に100店舗にする方針です。

  こおいう次世代型店舗こそ高齢化社会にあるべき店舗なのだと私は思います。



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