情報のコーディネーター 第121号
平成30年8月25日発行
窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。
今回の目次
□ 遥かなる十勝
平昌オリンピックで大活躍した高木姉妹が育った十勝の幕別町というところを調べていて、改めて
十勝を再認識しました。
十勝と聞いて誰でも思い浮かべるものにアズキ(小豆)があります。
和菓子製造業者から十勝のアズキが上等な餡子の素材として位置付けられており、実際、全国のアズキ
の89%が十勝で生産されているのです。
最近では北海道産のコメが生産量で全国1になりましたが、十勝は丘陵地帯の為、稲作が見られず、
昔から畑作と酪農が中心になっています。
しかもただの畑作ではなくて、大規模機械化が進んで豊かな農村風景が見られるのです。
幕別町の由来は、アイヌ語の「マクンベツ」(山際を流れる川という意味)にあります。
山とは日高山脈であり、川とは札内川です。
札内川は日高山脈に源を発し、十勝平野に出ると北東に流れ幕別町を通ってやがて十勝川と合流
しています。 札内川はアイヌ人にとってサケの取れる大切な川であり、一方、十勝の丘陵地帯を
札内川が何万年も掛けて畑作に適した平坦な大地に変えていったという意味で、母なる川なのです。
幕別町の北に隣接する更別村(人口3275人)は、十勝で最も大規模機械化が進んだ地域です。
一戸当たりの農地は43.5haで、全国平均の18倍という広さです。
トラクターは一戸で3、4台保有しており、年の粗収入が平均5000万円で、実質利益が1500万円位に
なるそうです。
本州の稲作農家とは比較ならない別世界の農業がここにあります。
しかし、作っている作物は、じゃがいも、ビート、小麦、玉ねぎ、枝豆などで珍しいものは一つもありません。
更別村の大規模化はますます進んでいます。 後継者がなく廃業する農家があると隣の農家が直ぐ
土地を買ってくれるからです。
大豆は昔の十勝を代表する特産品でしたが、海外から安い大豆が多量に輸入されている今でも作付
面積を1/4に減らしながら、品種改良により進化した大豆を栽培しています。
十勝大豆には独特のコクと甘みがあり、それが高級感のある豆腐を嗜好する消費者に好まれ続けて
いるからです。
ビートから作るてんさい糖も殆どが十勝で生産されています。
アズキ、大豆、てんさい糖などは、生活習慣病を予防する機能性食品として注目の食品でもあります。
なんだか本州の農村地帯とは全く違う田園風景を十勝に見たような気がします。
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