情報のコーディネーター  第115号
         
           平成29年6月1日発行
                  窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                          今回の目次
                     □ ストラトフォーの予測



  北朝鮮がミサイル発射を止めず、核保有国になることを放棄する意思がないとすれば、アメリカにとっ
て最後の選択肢が一歩一歩近づいている気がします。

  ストラトフォーとはCIAの元主席分析官のフリードマンが創設したCIAや国防省をお得意先にしている
アメリカの有力なシンクタンクです。


  このシンクタンクの報告は、イラク戦争の時も半年前に軍事作戦の具体的内容を発表し、実際もその
通りの作戦が実施されていることから、単なる予測とは云えない重みがあると見られているのです。

  このシンクタンクは昨年の6月に「アメリカが攻撃するには今しかない」という報告を出しており、先延ばし
すればするほど将来もっと悲惨な核戦争が起こる可能性が高まることをその理由にしていました。

  テレビを見ていると、北朝鮮の反撃で「ソウルは火の海になる」など日韓に甚大な被害が出るのでアメリ
カは戦争を始められないとする所見を述べる人がいます。

  しかし、北朝鮮の反撃の規模について、ストラトフォーは以下のように分析しているのです。

1 ソウルに射程が届く火砲は「コクサン170ミリ自走砲」と「240ミリと300ミリ多弾頭ロケットシステム」だけで
 あり、しかも着弾するのはソウル北部の郊外に限定される。
  その他の火砲は、旧式砲で射程が短い上、不発弾が25%に達している。

2 「ワソン」「ノドン」「テポドン」という移動式ミサイルを約1000発保有している。 しかし、発射が安定して
 いない。  1回の発射でアメリカはミサイル基地を把握して徹底的な反撃で破壊してしまう。

3 化学兵器(VXガス、サリン)の弾頭を2500~5000発保有している。 しかし、化学兵器は劣化のスピードが
 早い上、搭載可能なミサイルも少なく、1%程度しか使えない。  生物兵器は実戦配置されていない。

4 800機の戦闘機を保有するが、旧式過ぎて脅威にはならない。

5 70隻の潜水艦を保有するが、活動は沿岸に限定され、商船が攻撃される恐れがある。

6 サイバー攻撃部隊が存在するが、情報の収集に時間が掛かる為、サーバなどを一時的に停止させる原始
 的な攻撃に留まる。

7 特殊部隊と破壊工作部隊が韓国に侵入して来てインフラを破壊する恐れはある。
 


  次に、アメリカが2014年頃から準備している作戦は、以下の通りであると云います。

1 B-2ステルス爆撃機とF-22戦闘機、及びトマホーク600発で北朝鮮の核関連施設とミサイル発射施設を
 全て叩く。

2 「グリーンベレー」「ネービー・シールズ」が韓国軍と共に斬首作戦を実行する。

3 北朝鮮に親中派の政権を樹立し、中国版の「改革開放」モデルを適用して経済発展させることで
 米中は合意している。


 怖いのはソウル郊外に落ちる砲弾、どこに落ちるか分からない化学兵器弾頭、そして特殊部隊の侵入
ということになります。

  その被害は将来の核戦争による被害に比べればまだまだ少ないとすれば、アメリカが攻撃に踏み切る
のも時間の問題のように思われます。


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