情報のコーディネーター  第103号
         
    平成28年2月21日発行
          窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                    今回の目次
                □ 耐性菌とは何か



 
  最近、抗菌剤(抗生物質)が効かない菌(耐性菌)があるという話を多く耳にします。
これは抗生物質を乱用した結果、抗生物質に耐性のある菌つまり抗生物質で死なない
菌が現れたということです。

 実用化に成功した最初の抗生物質は、ペニシリンです。  
イギリスのフレミングは、ブドウ球菌を培養中にアオカビのコロニーの周囲にブドウ球菌
の生育が阻止された領域が発生しているのを発見しました。  1928年のことです。
 
 アオカビが作り出していた物質に菌の細胞の発育を阻止する働きがあったのであり、
アオカビが作り出していたこの物質こそ抗生物質の第一号なのです。

 ペニシリンが出来るまでは細菌感染症を直す治療薬が存在せず、人は簡単に命を
落としていたのですから、ペニシリンの発見は20世紀最大の発見の一つと云われました。

  大村智博士が実用化して「イベルメクチン」という抗生物質も放線菌「ストレプトマイ
セス・アベルメクチニウス」が作りだしたもので、その効果は驚くべきものです、

 アフリカで蔓延していた寄生虫が原因で失明に至る風土病をこの薬によって初めて
予防出来ることになったのです。


 現在では、微生物が作る抗生物質と人間が人工的に作った抗菌薬を併せて抗菌剤と
呼んでいます。

 さて、耐性菌についてはペニシリンが発見されて数年後にもうペニシリン耐性菌という
菌が現れていました。    

 そこで、このペニシリン耐性菌を殺すメチシリン抗菌薬が1959年に作られましたが、
その2年後にはそれに耐性のあるメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が現れています。

 このように抗菌薬と耐性菌のイタチゴッコが続いているのです。


 昔は風邪を引いて喉が痛くなり診療所に行くと抗生物質を出してくれました。
喉の痛みは菌によることが多いので抗生物質で直ぐに直ったものです。

しかし、最近では「考え方が変わりました」と云って抗生物質を出さなくなっています。

 複数の薬剤を無効化する耐性菌を多剤耐性菌といいますが、多剤耐性菌は抵抗力
の弱い子供や病人には大変な脅威なのです。

 多剤耐性菌の出現を防ぐには、医療現場で抗生物質の乱用を抑制することが第一
だからです。
 
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