
職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第191号
令和7年8月27日
職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
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今回の目次
□ 消費者保護の嚆矢となった「支払停止の抗弁」
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30年以上も前の話になります。
一番分かり難い条文は割賦販売法だと、商法の某教授が話しているのを
聞いた記憶があります。
クレジットショッピングが急拡大する中、消費者保護を強化すべきだと
の声が識者から高まり始めた頃です。
それまでは、割賦販売法などは一般消費者にとっても埋もれているよ
うな影の薄い存在でした。
実際に、分かり難い条文が羅列されているだけでなく、消費者保護の
観点でも条文に改正の余地がある法律だったのです。
その後、割賦販売法は消費者保護の方向で段階的に改正されて行く
ことになりますが、その先鞭を切ったのが「支払停止の抗弁」の創設だっ
たのです。
まず、支払停止の抗弁の規定(割賦販売法第30条の4)が、条文に付
加えられたのは昭和59年(1984年)のことです。
まだ日本が高度経済成長を突っ走っている頃で、所管の経産省は自
動車や電気など日本の基幹産業のバックアップに忙しく、消費者保護の
分野などは後回しにせざるを得なかったのです。
ここで少し割賦販売法という法律の構造に触れることにします。
まず、消費者がクレジット契約を利用して商品を購入した場合、
二つの契約が同時に成立します。
販売店との販売契約と、クレジット会社とのクレジット契約(割賦販売契
約)の二つです。
この二つの契約は今でも、判例により別契約である」とされています。
別契約とはどういうことか。
例えば、商品が届いてから重大な欠陥が見付かり、買主が販売契約を
解除した場合でも、クレジット契約の方は影響を受けずクレジット会社の
請求を拒み得ないということです。
「支払停止の抗弁の規定」(割賦販売法第30条の4)の創設前までは、
クレジット会社から「クレジット会社は別会社であるから、割賦金の支払
請求までは拒否できません」と、理不尽な督促に曝されでいたのです。
「支払停止の抗弁の規定」の創設により、販売店に対する抗弁権は
そのままクレジット会社に対しても同格の抗弁権となり得たのです。
当事務所では開業当初から、ネットで電子内容証明郵便を利用し
て、「支払停止の抗弁」の通知書をクレジット会社に発送して来ました。
「支払停止の抗弁事由」のみならず、購入の経緯や販売員のトーク
などを丁寧に書いて行くと、内容証明郵便3枚程度にまとまりました。
内容証明郵便の内容は直ぐに販売店に伝わり、比較的早い時期
に和解案が提示されて解決に至ることも多く見られました。
内容証明郵便の送付後、トラブルをどう解決して行くかは条文に書
かれていないことです。
しかし、当事者から自然に生み出された和解案という解決の指針
は、「支払停止の抗弁の規定」に当然内包されていた円満な解決法
だったのかもしれません。
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