
職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第190号
令和7年8月21日
職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
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今回の目次
□ 知られざる最高裁判決
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私がもしこの最高裁判決を知らなかったら、求償債権の消滅時効を
援用する内容証明など書くこともなかったでしょう。
その判決とは、昭和42年10月6日最高裁第二小法廷判決です。
信用保証協会が代位弁済により取得した求償権の消滅時効は5年
か又は10年かで争われ、最高裁が5年だと判示してやっと決着したの
です。
「非商人である信用保証協会が商人である債務者の委任に基づいて
成立した保証債務を履行した場合において、信用保証協会が取得す
る求償権は、商法第522条に定める5年の消滅時効にかかる」
「商人である債務者の委任に基づいて成立した保証債務」とは、
信用保証協会の信用保証付融資であるということです。
事案としては、主債務者は代位弁済以後、5年以上も一切弁済を
していないが、連帯保証人としては僅かな額を支払っていたという
ケースが多かったです。
ここで少し信用保証協会の仕組を書きます。
信用保証協会は各都道府県に設置されており、金融庁が所管する
認可公益法人です。
中小企業主が銀行から事業資金の融資を受ける場合、企業主の保
証委託により、信用保証協会が信用保証する(企業主は信用保証料を
協会に支払う)仕組になっています。
こうすることで、仮に融資が焦げ付いた場合、銀行は代位弁済を
信用保証協会に請求して融資の残元本を速やかに回収出来ます。
なお、代位弁済は中小企業信用保険法に定める保険事故に該当す
る為、(株)日本政策金融公庫から代位弁済額の7割~9割が保険金と
して信用保証協会に支払われます。
また、信用保証協会は、代位弁済により取得した求償権により、
保険金で賄われなかった残金を中小企業主から回収する事務を行う
ことになります。
中小企業の経営が立ち直れない程に悪化すると、会社を解散又は
閉鎖し連帯保証人の社長が僅かの額(一部返済又は承認と云います)
を払い続けているケースが多く見られます。
信用保証協会が取得した求償債権の消滅時効は、上記判例により
代位弁済日から5年間に一銭の弁済もないこと、
そして、この5年間に、信用保証協会から主債務者に対し時効を
中断するような裁判上の請求がなされていない場合(時効中断する
為には、請求書の送付だけでは駄目で、提訴が必要です)、消滅時
効が完成します。
一方、民法のどこにも、この連帯保証人の一部弁済が主債務の時
効を中断するという規定がありません。
従って、連帯保証人の一部弁済がいくらあっても、相対的効力し
かなく信用保証協会の求償権の消滅時効を中断しないので、事業主
は求償権の時効援用が可能なのです。
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