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職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第158号
令和2年4月3日発行
職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
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今回の目次
□ 民法改正で大きく変わった消滅時効
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明治29年(1896年)に制定された民法は、親族・相続が戦後にかなり改訂されまし
たが、それ以外の第1編から第3編までの財産編については、制定当時の姿そのまま
で今日に至っていました。
120年振りに大改正された新民法が、令和2年4月1日から施行されています。
といいましても、消滅時効の援用実務に直ちに影響が出るという訳ではありません。
新民法の経過措置により、施行日前の契約に基づき債権が発生している場合
には、旧民法の消滅時効その他の規定が適用されるからです。
例えば、施行日以後に代位弁済がなされて求償権が発生した場合でも、施行日前
に締結された保証委託契約に基づいている場合には、求償権の消滅時効の援用に
関しては旧民法が適用されます。
新民法が適用されるのは、今から契約により発生する債権についてであり、消滅
時効が問題になるのは早くても5年以降からです。
さて、新民法ではこれまで分かり難いとの批判があった職業別の短期消滅時効が
全廃された他、確立された判例理論が取り込まれています。
また、不法行為の時から20年間という客観的起算点による規律を、それまでの
除斥期間という解釈を廃して消滅時効と明言しています。
今日は新民法に取り込まれた2つの判例理論について紹介致します。
(1) 「裁判上の催告」
破産の申立後、本訴を提起してから破産を取下げたという事案で、最高裁は次の
ように判示し、それが判例理論として確立されていました。
「・・・・破産の申立が申立の適法要件として申述された債権につき消滅時効の中断
事由となるのと同様に、一種の裁判上の請求として、当該権利の消滅時効の進
行を中断する効力を有するものというべきであり、かつ、破産の申立がのちに取
下げられた場合でも、破産手続上権利行使の意思が表示されていたことにより
継続してなされていたものと見るべき催告としての効力は消滅せず、
取下後6ヶ月内に他の強力な中断事由に訴えることにより、消滅時効を確定
的に中断することができるものと解するのを相当とする」
(最高裁昭和45年9月10日判決)
旧民法第147条で時効中断事由が、単に「請求」とされていました。
↓
新民法第147条では「裁判上の請求」とされたことで、上記「裁判上の催告」に関する
判例理論が取り込まれたことになります。
(2) 消滅時効の援用権者に関する具体的明記
旧民法第145条では単に援用権者を「当事者」としていました。
↓
新民法第145条では、「当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、
第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有するものを含む。)と
なっており、判例理論に基づく具体的明記がなされています。
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