職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第126号
平成27年9月22日発行
職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
今回の目次
□ スカウト詐欺と債権譲渡
最近、目立つのにスカウト詐欺があります。
<事例>
原宿辺りで広告のモデルを探していると写真を撮らせ、第一次審査に通ると第二次審査の為に
エステを受けさせ、その際、宝石や化粧品のクレジット契約を締結することが条件とし、毎月の代金
は業者が振込むのでエステは実質無料だと説明される。
譲受人からは、クレジット契約書には債権譲渡の記載があり、異議を留めぬ承諾があったとして裁判が
起こされています。
しかし、直近の最高裁平成27年6月1日判決が出ており、詐欺被害者の被告を救済出来る可能性が
あります。
同判決は、
「 民法第468条1項前段の趣旨は、譲受人の利益を保護し、一般債権取引の安全を保障することにあ
る(最高裁昭和42年10月27日第二小法廷判決)。
・・・・実質的にみて、同項前段は、債務者の単なる承諾のみによって、譲渡人に対抗することができた
事由をもって譲受人に対抗することができなくなるという重大な効果を生じさせるものであり、
譲受人が通常の注意を払えば上記事由の存在を知り得たという場合にまで上記効果を生じさせ
るというのは、両当事者間の均衡を欠くものといわざるを得ない。
したがって、債務者が異議をとどめない指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対抗する
ことができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、
このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗する
ことができると解するのが相当である」
としています。 判決本文
「譲渡人に対抗することができた事由」とは、本クレジット契約のクーリングオフということになります。
営業所等以外の場所で契約したクレジット契約書には、法定事項を欠いているという不備があるからです。
つまり、譲受人は注意すれば容易にクレジット契約書の不備を気付き得たかということがポイントであり、
その注意を怠っていたと認定されればその点に過失があったことになり、
被害者は譲受人に対しクーリングオフを対抗出来ることになります。
本スカウト詐欺事件の被害者は780人位おり、提訴されたのはその17人程度です。
提訴前であれば、内容証明郵便でクーリングオフを主張すれば提訴までして来ない可能性が高いと考えら
れます。
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