職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第121号
                  平成27年1月26日発行
      職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                       今回の目次
               □ クレジットカード決済とクーリングオフ



  最近、特定商取引法上の電話勧誘販売又は訪問販売で販売契約を締結し、
パソコンの決済画面で手持ちのクレジットカードを使用して決済(以後カード決済
という)したというケースが目立
ちます。
 
  特定商取引法上の電話勧誘販売又は訪問販売ですから、契約書面の受領日
から8日以内であれば、販売契約のクーリングオフが可能です。

では、カード決済の方もクーリングオフが出来るのでしょうか。

  平成21年12月1日の改正特定商取引法・改正割賦販売法で目玉になっている
ものに、
「販売契約がクーリングオフ出来る時は、個別クレジット契約もクーリ
ングオフ出来る」
というのがあります。

  なお、支払いが契約締結から2ヶ月以内で終わるもの、つまり、
2ヶ月以内の
一括払いや1、2回払い(これをマンスリー・クリアといいます)
は、割賦販売法
の個別クレジット契約の規定が適用除外となる為(同法第2条4項)、現金払い扱
いであり、クーリングオフが出来ませんので期間が2ヶ月を超えるリボ払いに
変更する必要があります。


  根拠条文・・・・・割賦販売法第35条の3の10、同法第35条の3の10第5項

  同法第35条の3の10第5項は、個別クレジット契約をクーリングオフすると
  販売契約もクーリングオフされたものと見做すという規定です。

   つまり、クレジット会社にクーリングオフの通知を出すだけでよいことにな
 ったのです。



  さて、カード決済の場合ですが、クレジットカードを申込んだ際に包括クレジッ
ト契約を締結しており、そのクレジットカードを使用して行う決済は包括クレジ
ット契約の一部
であって、個別クレジット契約には当たりません
(割賦販売法第2条3項2号)。 

  因みに、個別クレジット契約とは、クレジットカードを使用しないで、当該商品
の購入に限りクレジット会社とクレジット契約を締結する場合を云い、ショッピング
クレジットとかショッピングローンとも云います。

  個別クレジット契約の場合は、クレジット会社から確認の電話がありそこで
契約が成立し、販売店には個別クレジット契約書を交付する義務があります。

  しかし、カード決済の場合には、クレジット会社との間で包括クレジット契約が
既に成立していますから、クレジット会社から電話が掛かって来ることはありま
せん。
 
  次に、包括クレジット契約の場合は、割賦販売法に支払停止の抗弁が
規定がありますが(同法第30条の4)、クーリングオフの規定がないのです。



  ではどうするのか。
クレジット会社に対しては、クーリングオフを抗弁事由とする支払停止の抗弁を
主張する
ことになります。  
つまり、内容証明郵便を販売会社とクレジット会社の双方に送付する必要がある
のです。

  その際、支払方法がリボ払い(毎月の支払額上限を1万円とか2万円に設定し
て分割で支払う方法)になっていることが条件です。

なぜなら、支払いが契約締結から2ヶ月以内で終わるもの、つまり、
2ヶ月以内
の一括払いや1、2回払い(これをマンスリー・クリアといいます)
は、割賦販売
法の包括クレジット契約の規定が適用除外となる為(同法第2条3項)、支払
停止の抗弁が出来ないからです。

 
現行法上、マンスリークリアは現金払い扱いであるということです。


  例えば、1月10日に決済して引落日が2月27日ならば、支払が2ヶ月以内で終
了しまいますから支払停止の抗弁は出来ませんが、3月10日以降の引落日なら
契約締結から2ヶ月を超える期間が
経過した後の支払ですから支払停止の抗弁が出来ます。

  尤も、1回払いから期間が2ヶ月を超えるリボ払いへの変更は何時でも可能で
すから、支払停止の抗弁を行使する際にリボ払いに変更すればいいのです。


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