職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第103号
               平成25年1月9日発行
    職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                  今回の目次
          □ キャッチセールスと消費者契約法による取消



  路上で客に声を掛けて店舗など営業所等に案内し契約を取付けるやり方をキャッチ
セールスと云います。
  営業所等以外での契約とされますから、特定商取引法によりクーリングオフが出来ま
すし、「不実の告知」「不利益事実の不告知」があれば割賦販売法によりクレジット契約
のクーリングオフが出来ます。

  ただし、キャバクラ等の飲食店に案内された場合には、「キャッチセールスによる飲食
店」が除外指定商品である為、書面交付義務とクーリングオフが適用除外となります。

  この場合には消費者契約法による取消を検討することになります。
消費者契約法は労働契約を除く全ての消費者契約に適用されます。
キャバクラ等の飲食店での契約がキャッチセールスによらない場合でも適用されます。


  さて、キャッチされた客がキャバクラ等の飲食店で監禁状態に置かれクレジットカード
により無理やり法外な支払をさせられたというケースは昔から多くあるケースですが、
この場合、消費者契約法によりクレジット契約の取消が出来るでしょうか。

  飲食店はクレジット会社と加盟店契約を締結してクレジット契約締結業務の一部を
代行しています。  つまり、クレジット会社はクレジット契約の締結の媒介を加盟店に
委託しているのです。

  従って、キャバクラ等の飲食店は消費者契約法第5条の「受託者等」に当たり、
クレジット契約に消費者契約法が直接適用出来ると解され、判例でも認められいます。  
            参考 →   大阪簡裁平成16年1月9日判決 

  消費者契約法第4条3項2号の「監禁」(退去妨害)の要件を整理して置きます。
同法の「監禁」とは、消費者が退去の意思表示を示したのに事業者が退去させない
ことを云います。 
 
この結果、消費者が困惑して契約の申込又は承諾の意思表示をした場合に、
消費者契約を取消すことが出来るのです。

  「退去の意思表示」の内容ですが、「帰ります」「ここから出して下さい」のような直接的
表示は当然として、「時間がありませんので」「要りません」と云った場合や手振りで契約
しないと示した場合のような間接的表示でも社会通念上「退去の意思表示」があったと
されます。

  次に、「退去させない」とは、物理的方法、心理的方法を問わずその場所からの
脱出を不可能又は著しく困難にすることで、時間の長短を問いません。

  消費者は事業者の退去妨害の言動により畏怖を覚えることが多いと思いますが、
消費者契約法の「監禁」の場合は畏怖を覚えることまで必要ありません。
また、部屋に鍵を掛けるとか、取り囲んで威圧し事実上退去が不可能にすることまで
は必要ありません。

 キャバクラ等の飲食店内で客がクレジットカードで決済しない限り脱出出来ない状態
に置いた行為が 刑法第220条1項の監禁罪に該当しないかですが、
偽計を用い客の恐怖心を利用して一定の場所からの脱出を妨げたと認定されれば、
該当すると考えられます。


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