子孫への最高の贈り物 
      〜巻物家系図を残しませんか
 
 
 第25号
                  平成17年12月8日発行

            今回の目次
        □ 歌舞伎十八番 安宅の関
        □ 京都が紅葉なら、関東はイチョウ。



   □ 歌舞伎十八番 安宅の関

 先日のNHK大河ドラマ義経は、安宅の関でした。
やはりこの場面は、何度見てもジーンと来ます。

 安宅の関での出来事を歌舞伎にしたのが勧進帳です。
勧進帳は歌舞伎の代名詞のような存在になっています。

 私は30年も前ですが、東京・歌舞伎座で初めて見た歌舞伎が、
やはりこの勧進帳でした。生まれも育ちも北海道の私には、
歌舞伎は江戸・東京を感じる文化のひとつです。
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 歌舞伎の観劇というのは、実に優雅です。
午前10時に始まって昼には幕の内弁当を食堂で取って、
また後半の部を見るのです。

 弁慶が非常な嬉しさを体全体の動きで表現しながら、
花道を早足で跳ねるように退場していくラストシーンが今も浮かんで来ます。
この弁慶が手足や体で表す喜びの仕種を、石投げの見得といいます。

 石を投げているような格好に似ていることから、そう呼びます。
この見得がある場面が最も盛り上がった山場で、
観客も弁慶の気持ちとひとつになって同じ感動を共有することになります。
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 さて、安宅の関とは、何がそんなに感動的なのでしょうか。
判官びいきという言葉があります。
 義経は平家打倒の最大の功労者でありながら、
頼朝に追討される身となり余りにも悲劇的過ぎる運命を余儀なくされたからです。
しかし、そんな義経でも弁慶ら家来達は、裏切りません。

 義経の一行は山伏の姿になって、平泉に逃げる途中安宅の関に差し掛かかります。
安宅の関の関守は、富樫左右衛門泰家といいます。
 富樫は義経の一行が山伏に変装しているという情報を得ていましたから、
一行に対し疑い深く尋問を始めます。
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 そこで、弁慶は驚くべきパフォーマンスを演じ切るのである。
天才的とも言える機転でした。
巻物を見せて勧進帳だと嘘を言い、勧進帳の空読みを長々とやって見せます。

 しかし、富樫の疑惑を晴らすには至らず、
富樫は一人の山伏を指して義経に似ていると疑いの追及を止めません。
 ここに至り弁慶は突然金剛杖でその山伏を何度も何度も富樫に静止されるまで、
殴り続けるのである。あろうことに弁慶は主人の義経を殴り続けたのである。

 当時の主従関係の掟からは、家来が主人をどんな理由であれ、
殴るということはあり得ないことなのである。
 だから、弁慶が殴り続けた山伏は義経ではないと判断しても、
必ずしも責められないでしょう。
富樫だってこれまで義経に会ったことはないのですから。
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 勧進帳では、富樫が内心では義経に違いないと確信していたことになっています。
そして、ここでもうひとつのドラマが起こるのである。
富樫は自分の内心の確信にも拘わらず、もう追及することを止めてしまうのである。

 つまり、富樫は弁慶が演出する劇の中で、自らも遂に役者を演じてしまったのである。
富樫のこのシーンについては、色々な解釈が成り立つと思います。
 一般的には、主従関係のタブーを破ってでも、主人を救わんと、
咄嗟に機転を利かせた弁慶の義経を思う気持ちに、
武士の富樫は打たれたということになっています。

 実際にはあり得ない話ではあっても、あったかもしれないし、
劇にするとスリリングで不思議な情感の世界が出現するのがこの勧進帳なのです。


   □ 京都が紅葉なら、関東はイチョウ。

 関東地方は12月に入って寒波襲来で、1月上旬並みの寒さです。
そのせいで、イチョウの黄葉が素晴らしいのです。

 先日、京都・嵯峨野のもみじをテレビで観ました。
わびさびの世界もいいものだと思いましたが、
関東では残念ながら紅葉の名所はありません。
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 その代わり、イチョウなら到るところで見られます。
横浜なら日本大通りにイチョウの街路樹あり、
ヨーロッパの街角のような趣があります。
 快晴の日に歩くと、イチョウの黄色が青空によく映えて誠に
心地よいものです。

 イチョウという木は日本の気候に合っているのか、
イチョウの大木は結構あるのです。
 イチョウの葉が完全に散った時、関東は真冬になります。

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