子孫への最高の贈り物 
      〜巻物家系図を残しませんか
 
 
 第23号
                平成17年10月4日発行

            今回の目次
        □ 逆境がくれたブレイクスルー
            中村修二博士の場合
        □ 分りやすい言葉で話す



   □ 逆境がくれたブレイクスルー  中村修二博士の場合

 中村修二氏は、青色発光ダイオードという製品の発明者で、
ノーベル賞は時間の問題と言われている人です。
青色発光ダイオードの製品化は、世界中の多くの技術者が挑戦して果たせず、
20世紀中は無理だと言われていたのです。
 それを、徳島の日亜化学工業株式会社の一技術者が開発に成功して、
一躍時代の寵児となったのです。

 この夏、中村修二著「考える力、やり抜く力、私の方法」(三笠書房)、
「怒りのブレイクスルー」(集英社)を読んで、その行きざまを知りました。
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 中村氏は、愛媛県の自然豊かな佐多岬で育ちました。
言ってしまえば、四国の僻地であり、科学者が育つような文化的環境ではありません。
少年期の中村氏は、スポーツと理系科目だけが好きな、
何処にでもいる普通の少年でした。

  田舎育ちの気後れがあったでしょうか、結局都会に出ることを嫌いました。
大学は徳島大学工学部でしたし、大学院修士課程を出て就職したのは、
阿南市の日亜化学工業という小さな会社でした。

 中村氏はこの会社で唯一の開発担当の技術者でした。
予算が極端に少なく、製造装置から何でもかんでも自分で作ったといいいます。
この逆境が、中村氏に他の技術者に見られないような職人的な技能をもたらします。
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 中村氏の態度は、常識を疑うこと、論文を信用しないことに尽きます。
青色発光ダイオードの素材を選ぶ時も、
99%の人が反対していた窒化ガリウムを選びます。
 結局、いつの間にか身に付いていた職人の技が、
優れた製造装置を作らせ、青色発光ダイオードの完成に結びつくのです。

 四国の田舎の小さな会社にいて、よく独りで開発出来たと思います。
青色発光ダイオードを開発するまでは平研究員で、
もちろんドクターでもありません。

 直前にフロリダ大学に1年留学しますが、留学生は皆ドクターばかりで、
論文も書いたことがない中村氏がまともに相手にされるはずもありません。
まことに、直前までは逆境そのものだったのです。

 それを青色発光ダイオードの完成で、一気にブレイクスルーしたのです。
今は、ノーベル賞受賞者がゴロゴロいるカリフォルニア大学
サンタバーバラ校の教授になっています。


   □ 分りやすい言葉で話す

 分りやすく話すということが、段々評価される時代になって来たと思います。
一番分り難い話をするのは、政治家と決まっていましたが、
この前の小泉さんの演説は、分りやすかったと思います。
 結局これが、国民の支持を集めたのです。

 分りやすく話すと、誤魔化しが利きません。
本当に自分の頭で分っていないと、分り易くは話せないのです。
そして、分り易い言葉は人の頭にスーと入り、賛同を得やすいのです。
 これはアメリカの政治家では常識で、中学程度の英語で話すといいます。
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 分りやすく話すことは、政治家だけでなく、
文学や哲学や宗教のような分野でもやがてそうなって来ると思います。
 
 この夏、私は仏教の「空」と、西洋哲学の「理性」について考えて見たくなり、
本を読んで見ました。
 法律の本よりは新鮮でしたが、
特に西洋哲学の方は何と言葉が分り難いことか・・・。
本当に書いている人は分っているのかと思った次第です。
 
 しかし、50年前の本に比べると、
ぼちぼち分りやすく話そうとする人が増えていることは、事実です。
 そして、最近では木田元教授(西洋哲学専攻)のように、
私は西洋哲学のいう理性がよく分らないと告白する学者も出て来ています。

 西洋の哲学の行き詰まりをブレイクスルーするのは、
案外「空」の哲学なのかもしれません。

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