子孫への最高の贈り物 
      〜巻物家系図を残しませんか
 
 
 第18号
                 平成17年5月6日発行

          今回の目次
        □ 中国人はなぜ歴史、歴史と言うのか?
        □ 遺言書を作る前に是非やって欲しい相続人調査



   □ 中国人はなぜ歴史、歴史と言うのか?

  先日の上海での反日デモを見ていて、
中国の学生は少しずれているのでは・・・、と思った日本人は多かったと思います。

 戦前の日本は中国で悪いことをしたかもしれませんが、
今の日本は中国に工場を建て多くの中国人に職を与えています。
そして中国製品を多量に輸入しているのも、日本なのです。
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 そんな現実を見ないで、なぜ過去の歴史なのか・・・。
今の中国では、反政府デモは許可されないのです。
 要するに、あのデモというのは、
政府批判の矛先が日本に向きを変えただけなのです。
やがて中国の学生も気付くに違いありません。
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 あのデモが全く的を射ないものとしても、
中国人はなぜあんなにも歴史に拘るのかと思います。
 それがいいか悪いかは別として、
日本人は意外に過去のことに拘らないところがあります。

 あの戦争は歴史の流れであり、
戦争責任を追及しても無意味という観念があるのでしょう。

 実際当時の日本人はやむを得ず起きた戦争と考えており、
政治家が悪いから戦争になったとは考えないのです。
ただ、戦争は想像を絶する甚大な被害をもたらすということは、
骨身に沁みています。
                 
 もちろん戦前のような国家主義は悪いと思っており、
戦後はそれを完全に否定したのです。
このようなダイナミックな変化そのものが、日本の近代史なのです。
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 作家司馬遼太郎氏はあの戦争中、戦車隊の少尉として満州にいました。
終戦の時22歳でしたが、「日本はどうしてこんなに馬鹿になったのか」と、
しみじみ思ったそうです。

 そして、その後の膨大な小説群は、
「22歳の自分への手紙のつもりで書いた」とも言っています。
 司馬さんは、ある意味で戦後の日本人の代弁者であったと思います。
だからあれだけ多くの読者を獲得したのです。

 ですから、日本人はあの戦争のことを忘れているのではないのです。
ただあのような国ではなく全く新しい国の形に作り変えるという中でしか、
過去の歴史を超克する方法がなかったというのが、
本当のところではないのか・・・・。


   □ 遺言書を作る前に是非やって欲しい相続人調査

  遺言公正証書では、受遺者を絞り遺言執行者を指定します。
一般に遺言執行者を指定して置くと、遺言執行がスムースに出来るとされます。
遺言執行者は相続人の代理人ですから、そういう面があります。

 しかし、法定相続人が誰で何人いるのかも知らないで作ると、
遺言執行は結構煩瑣になるということがあります。
 例えば、被相続人が明治生れだとしますと、兄弟が沢山いるのが普通です。
被相続人に子も配偶者もいないとしますと、
兄弟姉妹又はその子が法定相続人になります。

 遺言書で、「マンションを売却した代金を末妹の孫Bさんに遺贈する」となっていたとします。
この場合の登記は、遺贈登記ではなく相続登記になります。
つまり、法定相続人全員の名前で登記をするのです。
全員の戸籍謄本と住民票が必要になります。

 さて、法定相続人のひとりにDさんという在外邦人がいたとしますと、
Dさんの在留証明書が要りますので、それを依頼する手紙を書かねばなりません。

 しかし、Dさんは法定相続人でありながら、遺留分がなく何も貰えないのです。
最悪のケースは、Dさんとほとんど音信不通で、住民も分らない場合です。

 遺言者にとってDさんが遺産分けをしたいほどに恩を感じる人であっても、
遺言執行者から見ると手間の掛かる厄介な問題となることがあるのです。

 遺言書を原案の段階で、遺言執行が面倒にならないか十分検討して見るべきです。
在外邦人のDさんなどには遺贈するなとは言いませんが、煩瑣なことにならないか、
それを避ける方法はないかなどを事前に検討することは、
真に喜ばれる立つ鳥跡を濁さない遺言書の作り方として意味があるのだと思うのです。

 公証人役場へ行く前にやるべきは、相続人調査ということになります。

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