子孫への最高の贈り物 
      〜巻物家系図を残しませんか
 
 
 第9号

                        平成16年4月14日発行

           今回の目次
        □ 生前相続
        □ 家系図論争



    □ 生前相続

 親が子供や配偶者に、何か財産を生前贈与するということは、
これまでほとんどなかったのではないでしょうか。
その理由の第一は、贈与がメチャクチャ高いからです。
 贈与税の場合、基礎控除額が110万円です。
つまり、110万円を超えると、控除後の課税価格に対して10%掛かります。
しかも、税率は段階的に上がって行きます。
 例えば3000万の預金なら、税率は60%で、税額控除が390万円あったとしても、
結局、1344万円の贈与税が掛かります。
 こんなに払うくらいなら、死後の相続でいいと誰もが思うでしょう。
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 その結果、親の資産が凍結されてしまい、
中々動かないという状況になっていたわけです。
日本の1200兆円という金融資産の8割は、60代〜80代の親達が保有しています。
そして、この資産が動かないことが、消費の低迷とも関係があるのです。

 ここにメスを入れた税制改革が、平成15年度から実施されました。
正式には、相続時清算課税制度といいますが、
要するに生前相続の道が開けたのです。
 実質は生前贈与なのですが、非課税の範囲が相続にかなり近くなるという意味では、
生前相続というべきものです。
 具体的にいうと、65歳以上の親から20歳以上の子に生前贈与されることを前提として、
基礎控除額2500万円(累計額)を超えない限り、非課税とするというものです。
 なお、住宅取得資金に限っては、3500万円まで非課税となり、
親は65歳未満でも構いません
また、2500万円を超えた場合でも、超過額に対して一律20%の課税となります。

 ただし、親が死にその子が相続する際、
相続財産と生前贈与分の合計額に対して相続税が掛かります。
 結局、節税効果はないにしても、前倒しの相続が可能になるのです。
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 この税制改正は、親子関係を良好なものにすると言われます。
つまり、30代、40代は、教育費や住宅ローンの負担が重く圧し掛かっている世代です。
そんな世代のどこに、生前贈与を歓迎しない者がいるでしょうか・・・・・・。

 介護してくれている息子の嫁を養子にして、生前贈与することも出来ます。
これまで、遺言書によってしか出来なかったことが、
親のまだ元気な内に可能となったのです。


   □ 家系図論争

 行政書士は、戸籍謄本等を交付請求する為の、「職務上請求書」を保持しています。
これを、家系図作成という目的で使用出来るのか、
出来るとしてその範囲は無制限かという議論が、昨年秋からまだ続いています。
 日行連の公式見解は、家系図作成が目的の場合、本人が請求出来る範囲までであって、
傍系の除籍謄本までは請求出来ないというものです。
 つまり、遺産相続の実務に必要な場合なら、請求にそんな制限はないのに対して、
家系図作成の場合に限っては、本人が請求出来る範囲に限定したのです。

 もちろん、家系図は事実証明の文書であるとしています。
家系図作成も行政書士の正当な業務なのですから、
相続の場合と同様に考えてよいはずなのですが、
結局、家系図作成を理由に無制限な請求を認めると、
戸籍情報が悪用されるおそれがあるということなのでしょう。
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 このことから、行政書士の中には、
家系図作成の正当業務性に疑いを差し挟む人もいます。
これは、依頼者の知的欲求に答えるだけで、証明とは言えないというのです。
 果たしてそうでしょうか・・・。

私は、家系図を子孫への贈り物として捉えています。
除籍簿は、80年で廃棄される運命にあります。
 先祖との繋がりを公証する唯一の資料である戸籍謄本等を請求して、
それを家系図に残し、子孫が自己のアイデンティティーを確かめる為の手立てとする行為が、
どうして重要な事実証明とは言えないのか・・・・・。

 家系図は受取った子孫にとって、
自己の存在を確認する掛替えのない資料となるものなのです。
 決して、自己満足で作るものではないのです。
                     
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