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   < コラム >   放任されている悪徳リース提携商法 
                         参考 → 悪徳リース提携商法に負けない方法
                          
 悪徳リース提携商法の事例
  悪徳リース提携商法には例えばこんなものがあります。
      販売店  ジャパンオリジナルクラフト(平成20年5月末日に倒産)  

 
新聞折込チラシで「月収100万円以上可、土日社長募集、ローン・リース可、机1台分のスペースでOK
「新・製造業 受注体制確立」「素人でも簡単に技術をマスター」注文製作だから無駄な在庫負担はありません」
などと代理店の募集をし、装飾ガラス工房の代理店契約と同時に
ブラストマシーン(ガラスをサンドブラストに
より彫ったり、摺りガラス状に加工し製品を作る機械)のリース契約(総額440万円位)を締結させる。 
しかし、機械は旧式な吸引式で工房用としては使い物にならず、また1件も受注がなかったり
勧誘時の説明とは大きく違っており、工房経営など実現不可能なことが分かって騙されたと気
付く。


  リース契約を利用する人というのは事業者だけと思ったら大きな間違いです。 アルバイトや会社員
など事業の素人がサイドビジネスとして工房経営をやろうとして契約させられています。  
  しかし、工房名もまだ仮名称を使って契約しており、営業開始の意思がまだ客観的に周りの人から認
識されていない状態(商行為としての開業準備行為まで至らない)での契約なのです。

  それにしてもこんなリース契約が放任されていることは驚くべきことです。  リース会社は立派な一
部上場企業ですが、販売店がどんな悪徳な営業をやろうとも無関心なのです。  リース料も回数も販
売店に決めさせ、リース会社は本人に電話で意思確認をするだけで決裁しています。  そして、契約
後にトラブルになるとリース契約の瑕疵担保責任免責条項を盾に全く応じません。   販売店の詐欺、
不実の告知を理由に内容証明郵便でリース契約の取消をすると、リース会社によっては調査もせず裁
判を起して来ることもあります。  ユーザーが弁護士に相談してもリース会社が大手だから勝てないだ
ろうなどと云われ引受けて貰えず、諦めてリース料を払い続けている人もいます。
  何故に昔の内職商法のようなこんな悪徳リース提携商法が横行しているのかと云えば、要するに販売
店にはリース契約の方がクレジット契約より旨みがあるからです。  販売店はリース会社と加盟店契約
を締結する必要もなく、クレジット契約のような支払い停止の抗弁やクーリングオフの適用もなく、しかも
金額はクレジット契約より高額であるなどのメリットがあります。  一方、リース会社にはユーザーから
中途解約されたり瑕疵担保責任を追及される心配がないというメリットがあります。
  販売店とリース会社の双方にとって大変使い勝手のいいのがリース契約であり、リース会社が販売店
にリース契約書を渡して営業させていれば自動的に利益が上がって来る実においして仕組みが リース
提携商法なのです。

  リース会社は悪徳な販売店に騙された中小零細事業者や消費者の犠牲の上に利益を享受しています。 
しかも、クレジット契約でもよかったケースが殆どであり、申込者にはリース契約にしなければならない
理由はなく、リース契約とクレジット契約の違いもよく分からない内に、既に述べた通り販売店にとって使
い勝手がいいという理由から一方的にリース契約にさせられているのです。   情報格差という点では
中小零細事業者も消費者と大差ありません。  
  特定商取引法と割賦販売法が改正されてクレジット会社による加盟店管理や調査義務が強化されてい
る中、リース契約だけが規制する特別法もなくぽっかりと浮いてしまっています。  ここに悪徳リース提携
商法を蔓延らせている最大の要因があります。
                                       平成22年5月13日


                        
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