近時の判例、平成21年12月1日以前の契約に関する最高裁判例
                              参照 →JACAS判例紹介

 事例1 呉服のクレジットで高齢者が騙され名義貸し (契約は改正後)
     クレジット会社から提訴されたが、改正割賦販売法第35条の3の13の不実告知取消権
     を適用してクレジット契約の取消を認めた(旭川地裁平成26年3月28日判決)。  
     控訴中。

 事例2 高齢の女性に対し呉服・アクセサリーを過量販売 (契約は改正前)
     過量販売は公序良俗違反、共同不法行為であるとしてクレジット会社と販売店に連帯
     で既払いクレジット代金の返還を命じた(秋田地裁平成22年9月24日判決)。 
     控訴中。

 事例3 認知症の女性に対し呉服を過量販売  (契約は改正前)
     売買契約は公序良俗に違反し無効であり既払い売買代金の返還義務を認め、クレジット
     会社に対する支払い停止の抗弁を認めた(奈良地裁平成22年7月9日判決)。 
     控訴中。

 事例4 デート商法により女性に対し高級スーツ・装飾品を販売 (契約は改正前)
     クレジット契約に消費者契約法第5条・第4条を適用し既払いクレジット代金の返還を
     認めた(大津地裁長浜支部平成21年10月2日判決)。 
     控訴中。


 事例5 デート商法により男性に対し宝飾品を販売(クレジット契約の支払総額220万円)
                                  (契約は改正前の平成15年3月)
      男性はクレジット会社に対し既払いクレジット代金の返還を求めて提訴。  
     1審の津地裁伊勢支部判決で請求棄却となったが、控訴審名古屋高裁平成21年2月19日
     判決では、「売買契約は公序良俗に反し無効」としクレジット会社に約100万円の返還を
     命じた。

      しかし、最高裁平成23年10月25日判決では、「立替払契約の効力を否定することを信義
     則上相当とする特段の事情がない」として、原審を破棄し上告を棄却した。 判決全文


    「 売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても、販売業者とあっせん業者との
     関係、販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度、販売業者の公序良俗
     に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし、販売業者によ
     る公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ、売買契約と一体的に立替払
     契約についてもその効力を否定することを信義則上相当とする特段の事情があるとき
     でない限り、売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約
     が無効となる余地はない
と解するのが相当である」(最高裁平成23年10月25日判決)
                                       




                  行政書士 田中  明事務所